MOBILITY-AS-A-SERVICE(サービスとしてのモビリティ):なぜ自動運転車は全てを変えうるのか

作成者: Tasha Keeney|2017/10/27

ARKは2019年までに自動運転タクシーが商業化されると予想しています。2020年代の終わり頃には自動運転タクシーがドア・ツー・ドア(戸口から戸口)の移動手段の主流になると予想しています。

 

ARKは消費者による自動運転タクシーのコストは1マイル当たり35米セントになると予想しています。タクシーの稼働率が高くなると予想され、コストは現在の消費者の運転コストの約半分です。この経済性により、自動運転タクシーネットワークは広範に採用されると予想しています。

 

ARKは交通量が2030年までにおよそ3倍に増加すると予想しています。自動運転タクシープラットフォームにより、目の不自由な人、高齢者、10代の免許取得前の若者を含む非運転者人口が手軽で便利な輸送手段を手に入れることになります。交通量は増えるとみられるものの、自動運転車は、より効率的に機能し、運転者に単にハンドルを握っている以上の快適な体験を提供するでしょう。

 

自動運転車は個人の自動車所有離れを引き起こし、今後数十年には世界の自動車販売台数を押し下げるでしょう。ARKの調査は、自動車販売台数が先進国で半分近く減少する可能性を示しています。発展途上国では、自動車販売台数は長期的に増加するとみられますが、現在予想されているよりも遥かに緩やかなペースになるでしょう。

 

将来の自動車販売の減少は経済にとって悪い知らせかもしれませんが、ARKは自動運転タクシーが2035年までにGDPを米国だけで2兆米ドル(以下、単に「ドル」)以上押し上げると予想しています。こうした経済的恩恵としては、追加的なサービス収入、運転から解放されることによる消費者の自由裁量時間の増加、これまで駐車場に使用されてきた土地の別用途での活用による投資利益拡大などが考えられます。

 

ARKの調査は、MaaSの世界市場が2030年代初頭までに総売上高で10兆ドルを超えることを示していますi。こうした売上高の約3分の1は中国でのものとなるでしょうii。米国では、MaaS市場は2030 年までに売上高で7,000億ドル超に達するとARKは予想しており、この額は今日のタクシー業界の売上規模の30倍以上に相当するものですiii。以下に示すように、自動運転サービス産業の市場は

 

ARKの考えでは、投資家は現段階でMaaSをかなり過小評価しており、自動運転タクシーネットワーク産業は5年以内に時価総額で5兆ドルを超える可能性がありますiv。対照的に、世界の自動車製造業界は自動運転タクシーネットワーク産業のおよそ3分の1の規模になる可能性があります。本調査レポートで分析しているように、ARKは株式市場の現在の時価総額70兆ドルが自動運転サービスだけで10%増えると予想しています。自動運転タクシー市場は、優れた自動運転技術をまとめあげることのできるテクノロジー企業または自動車メーカーに大きな成長機会を提供しています。

 

 

[i] ARKはプラットフォームサービスの提供企業の売上高が10兆ドルの総売上高のうち20%の2兆ドルに達すると予想しています。

[ii] 出所: ARK Investment Management LLC

[iii] 現在のタクシー業界の市場規模は190億ドル。出所: http://www.ibisworld.com/industry/default.aspx?indid=1951

[iv]ARKは2022年に関する最新予想を反映するため、調査レポート発行以降にこの数値を更新しています。