Newsletter #300:ARK Invest、ビットコインのファンダメンタルズを評価するためのフレームワークを導入、他。

作成者: ARK Invest|2022/01/10

本レポートは、2022年110にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletters_#300」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. ARK Invest、ビットコインのファンダメンタルズを評価するためのフレームワークを導入

ビットコインは従来のアセットクラスの枠組みにうまく当てはまらないため、多くの機関投資家が採用を見送ったようです。懐疑的な投資家は、そのユニークな特性を考慮する代わりに、ビットコイン(ブロックチェーン)とビットコイン(暗号通貨)をファンダメンタルズで分析することはできないと結論付けた模様です。この白書では、オンチェーンデータが、ビットコインのような新興の通貨資産を分析するための新しいフレームワークをどのように提供するかを説明しています。機関投資家がビットコインに触れる機会が増えるにつれ、ARKがネットワークの3つのデータレイヤーを分析することで、その基礎となるファンダメンタルズに対する理解と信頼が高まると確信しています。

 

2. リキッドバイオプシー(液体生検)は固形がん治療薬の臨床試験のペースを加速するか?

ゲノムに基づく診断と治療は相乗効果を発揮し、新たながん治療薬の市場投入までの時間を短縮する可能性があります。例えば、画期的な治療薬は診断検査に付加価値を与えることができ、新しい診断薬は治療法の発見や標的化に役立ちます。私たちの研究は、MRD(微小残存病変)検査、すなわちがん治療中、および治療後に行なわれる液体生検が、新しいがん治療の臨床試験のペースを加速させる可能性があることを示しています。

通常、研究者は、臨床試験中の全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)などの臨床評価項目に基づいて、実験的治療法と既存の治療法を比較しますが、このような臨床試験は、OSやPFSのデータが整備されるまでに多くの場合は数年を要し、時には5〜7年もかかることもあります。

一方、MRD検査は、治療後に残っている微量のがんを検出することができ、新規のがん診断全体の約1015%を占める血液がんの標準治療法となっています。MRD検査は、治療後数ヵ月で将来のPFSを予測できるため、腫瘍医が臨床試験の代替評価項目として推奨しています。MRD検査の普及により、製薬会社は臨床試験のプロセスを何年も短縮することができ、バイオテクノロジーの研究開発効率を高め、医薬品の承認率を高めることができます。

血液がんの臨床試験では代替評価項目が一般的になりつつありますが、新しいMRD検査は固形がんの臨床試験、特に成長の遅いがんに対して重要な役割を果たす可能性があります。治験責任者は、MRDとOS/PFSの関係について更に学び、血液がんから学んだ教訓を固形がんに適用すべきかどうかを見極める必要があると考えます。

 

3. AI推論に必要な計算量を削減するGoogleの新モデル「GLaM Mixture-of-Experts

12月初旬、GoogleGLaMを発表しました。これは、OpenAIの1,750億パラメータの一般言語モデルGPT-3を大幅に上回る、1兆2,000億パラメータのエキスパート混合モデルです。GPT-3とは異なり、GLaMはスパース(過疎)性の高いエキスパート混合モデルであり、そのサブモデルは様々な入力に特化しています。重要なのは、学習時にGPT-3より多くの計算を必要とする一方で、自然言語の生成・処理タスクではGPT-3よりも性能が高く、推論中の計算量が少なくて済むことです。

技術にありがちなことですが、設計にはトレードオフがつきものです。もし規模が最も重要であれば、推論要件の低さというGLaMの利点は、トレーニング要件の高さという欠点を上回ると考えられます。例えば、Googleの検索規模を考えると、大規模検索のための高い学習コストを吸収する代わりに、検索ごとの推論コストを下げることができるかもしれません。

 

4. 中国、デジタル人民元アプリ「e-CNY」の提供を開始

今週初め、中国人民銀行(PBC)は、デジタル人民元の単独アプリ「e-CNY」をiOSとAndroidのアプリストアでリリースしました。e-CNYは、中国が過去1年間に国内の小売取引や香港、タイ、アラブ首長国連邦とのクロスボーダー取引でテストしてきた中央銀行デジタル通貨(CBDC)です。e-CNYアプリは、中国の大手ハイテク企業、資産管理会社、不動産会社に対する規制措置が続いている中で登場したものです。

報道によると、デジタル人民元は6つの主要な国有銀行だけでなく、WeChat PayやAlipayなど、中国で10億人以上のユーザーを持つデジタルウォレットでも利用できるようになる予定です。これらの販売チャネルは、特にピアツーピア(個人間決済)や小売店での決済において、人民元の普及を加速させるものと思われます。とはいえ、中国の中央政府は、この通貨の取引台帳とID管理システムを管理する可能性があります。

 

 

 

 

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