本レポートは、2022年5月9日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletters_#315」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
2021年のインパクトレポートによると、Tesla社はバッテリーから原材料を約92%の効率で回収することができるそうです。同社は、1000kWh相当の使用済みバッテリーごとに921kWh相当の原材料を回収して、新しいバッテリーを生産しています。製造工程で品質保証を満たさないセルについては、すでにリサイクルの重要性は明らかです。Tesla社では、「大規模なバッテリー材料の回収とリサイクルに伴うコストは、セル製造用の原材料を追加購入するよりもはるかに低くなる」と考えており、バッテリーコストの継続的な低下に大きく貢献するとともに、より多くの電気自動車が使用済みとなっていく中で、リサイクルの重要性を増幅させています。
先週末、Yuga Labs(ユガラボ - 猿をモチーフにしたNFTコレクションのBored Ape Yacht Clubなどを展開するNFTスタジオ)はNFT(Non-Fungible Token)の最新シリーズ「Otherside」を発表しました。これは、有名な「Bored Ape」知的財産(IP)を中心としたメタバース的仮想ゲームとその世界の次の段階を示すものです。この発表時には、仮想世界での特別な所有権を付与する最初の仮想区画も10万区画販売されましたが、3時間足らずで完売し、NFT史上最大のMint(ミント)と一次販売で、推定3億1700万米ドルを売り上げました。
ローンチは滞りなく行なわれたわけではありません。供給の限られた土地で区画を購入する成功確率を上げようと、投資家やボットはイーサリアムのブロックチェーン上で取引手数料を高騰させました。中には、土地を買う権利のために1万米ドルもの手数料を支払ったユーザーもいたのです。これは、基盤となる仮想区画のミント価格5,800米ドルのほぼ2倍です。
その後、Yuga Labsやその他の企業は、その高額なユーザー手数料に関してイーサリアムのブロックチェーンを批判しました。しかし、イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が指摘したように、これらの手数料は、イーサリアムチェーンやスマートコントラクトではなく、限られた供給に対する需要の関数でした。買い手は仮想区画を所有したいという自身の欲求と支払い意思に基づいて取引手数料を競り上げたのです。もしYuga Labsがダッチオークション(Mint(ミント)の数日前に放棄された当初の計画)を行なっていれば、この論争に直面することもなく、おそらくは、その収益のほとんどを取引手数料に充当し、ユーザーのために土地の購入価格の合計を引き下げたことでしょう。
また、Yuga Labsがローンチに失敗し、それを基盤となるイーサリアムブロックチェーンのせいにしたと批判する人たちもいます。一部の評論家は、Yugaが独自のブロックチェーンを作成することを提案していますが、この議論は、誇大広告がNFTプロジェクトの根本的な価値を圧倒する可能性があることを示唆しています。新しいベンチャー投資家は、新しいNFTデリバティブをMintすることで加速度的にリターンを得るようプロジェクトを奨励している可能性があり、その結果、より慎重かつ持続的にコミュニティの価値を高めることが犠牲になっている可能性があるのです。
DNAを改変することで、遺伝子編集は病気を治すことができると期待されています。ARKは、遺伝子編集のリスクと利点を理解することが、ヒト、動物、植物のこれからの健康にとってますます重要になると考えています。
そこで、遺伝子編集がDNAにどのように影響するかを理解するために、ヌクレアーゼ、ベースエディター、プライムエディターという3つの主要な遺伝子編集技術の成果を分析しました。
CRISPResso2は、編集結果やオフターゲット編集の判定を支援する最先端のDNA配列解析ツールです。この解析により、次の図のような対立遺伝子プロット(遺伝子編集過程での変化に着目した遺伝子動態の可視化)が生成されます。
次に示す最初の例では、研究者がHeLa細胞でHEK3遺伝子座を編集し、遺伝子破壊と重大なインデル(挿入/欠失)を引き起こしました。遺伝子を破壊するためにはインデルが必要ですが、意図しない結果を事前に把握することはできません。
2つ目の例では、研究者はベースエディターを用いて、悪玉コレステロールである低密度リポタンパク質(LDL)に影響を与えるPCSK9遺伝子にAからGへの編集を施しました。以下の対立遺伝子プロットでは、オフターゲット編集やインデルの生成は確認できませんでしたが、バイスタンダー編集や、その他、意図しないAからGへの編集が確認されました。
プライム編集の例では、研究者はPE5 maxを使用して、HeLa細胞のPRNP遺伝子座にGからTへの編集を加えました。これは、プライム編集でしかできないことです。以下に示す対立遺伝子プロットによると、この編集では、切断部位やその周辺に目に見えるようなインデルは発生しませんでしたが、他の置換は0.93%の確率で発生しました。
これらの遺伝子編集技術は刺激的です。その成功は、おそらくCRISPR Casタンパク質の最初の発見の機能であり、CRISPR-Cas9は、これまでのところ、ヒトで最も成功した遺伝子編集技術です。代替技術は前臨床試験中であるか、最近になって臨床に参入しています。
利用可能な各遺伝子編集技術に関連するリスクと利点を理解することがますます重要になってきています。こうした技術は、拡大し続けるDNA改変のツールボックスの特徴であり、さまざまな適応症において重要な役割を果たすことになります。遺伝子編集の技術革新が進むにつれて、技術同士、または技術間でのクロスライセンスが行なわれる可能性があります。
ARK’s statements are not an endorsement of any company or a recommendation to buy, sell or hold any security. For a list of all purchases and sales made by ARK for client accounts during the past year that could be considered by the SEC as recommendations, click here. It should not be assumed that recommendations made in the future will be profitable or will equal the performance of the securities in this list. For full disclosures, click here.