本レポートは、2022年10月24日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #339」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics
先週、イーロン・マスク氏は、第3四半期の決算説明会で、Tesla社がモデル3やモデルYの約半分の価格で販売される車両を開発していることに言及しました。下図で示すように6万米ドル以上の価格帯の車両は米国の自動車市場全体の約5%にあたりますが、約3万米ドルの価格帯であれば、販売可能な市場が全体の50%にまで拡大します。
ですから、Tesla車の需要が減退するという懸念は見当違いであると私たちは考えています。むしろ、Teslaの車両は現在の価格帯では供給が制約されているため、3万米ドルの車両が登場すれば、その需要が10倍に拡大する可能性があるのです。したがって、Teslaの次世代車両がサイバーロボットタクシーであっても、何の不思議もありません。
By Pierce Jamieson | @PierceARK
Research Associate
拡散AIモデルの計算上のブレークスルーは、最も楽観的な予想を上回っています。今年、ARKのNewsletterでは、OpenAI社のDalle-2やGoogle社のDream Fusionなどを取り上げてきました。例えば、Stability.AIのオープンソースStable Diffusionモデルは、テキストプロンプトに導かれるかたちで、画像から画像への変換を生成することができます。プロンプトにより「木々を紫色にする」ことや、「シーンを冬に変える」ことができるのです。
MITのコンピュータサイエンスとAIの研究室(CSAIL)は最近、「DiffDock」とよばれる拡散モデルを導入し、開発中の薬がタンパク質と結合して病気を治療する方法を、既存の最高のモデルのおよそ2倍の精度で予測することができるようになりました。拡散モデルは、ノイズの連続的な付加によって学習データを破壊し、そのノイズ付加のプロセスを逆転させてデータが回復するプロセスを学習することで機能します。このモデルは、ウェブツールのインターフェイスにすぎないパッケージであり、並進値、回転値、ねじれ値のどれが可能で、確率が高いかを示してくれるものです。
By William Summlerin | @summerlinARK
ARK Venture Committee Member & Analyst
本記事は、AIコンテンツ生成ツール「JasperAI」の協力を得て執筆しています。
人工知能(AI)がよりオープンソースなモデルへと進化を続ける中、既存の確立された大手IT企業は、その競争において重要な優位性を持っているかもしれません。その優位性とは、AIを搭載したサービスを既存の製品群に分散させることができることです。例えば、Microsoft社とGoogle社は、最先端の生成テキストAIを電子メール、ドキュメント、その他のテキストベースの製品に組み込むと思われます。
この仮説を実証するように、Microsoft社のGithubによって構築されたAI搭載プログラミングツールの「Co-Pilot」は、リリースと同時に広く急速な普及を遂げました。OpenAI社とMicrosoft社の関係も、新たな資金調達について話し合っているという噂から、深まっているようです。2019年に10億米ドルを投資した後、Microsoft社は、OpenAI社の新モデルの製品化における第一選択権を持ち、Azureを独占的なクラウドプラットフォームプロバイダーとしています。さて、次は何が起こるのでしょうか?
大手のIT企業は、電子メールのオートコンプリートのような水平方向のユースケースや、GitHubやリーガルAIアシスタントのような垂直方向のユースケースで、流通上の優位性を持つ分野に注力するものと思われます。私たちの調査では、取得困難な独自のデータ、製品使用データ、その他のデータエンジンなど、明確なデータの優位性を持つ企業やプロジェクトが最も高く強力な参入障壁を築くことになることが示唆されています。
ARK’s statements are not an endorsement of any company or a recommendation to buy, sell or hold any security. For a list of all purchases and sales made by ARK for client accounts during the past year that could be considered by the SEC as recommendations, click here. It should not be assumed that recommendations made in the future will be profitable or will equal the performance of the securities in this list. For full disclosures, click here.