Newsletter #344:Teslaの航続距離500マイルの新型電気トラック「セミ」は懐疑的な見方を覆す、他。

作成者: ARK Invest|2022/12/06

本レポートは、2022126ARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #344」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. Teslaの航続距離500マイルの新型電気トラック「セミ」は懐疑的な見方を覆す

By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics

 

先週、Tesla社はPepsiCo(ペプシコ)社に、航続距離500マイルの大型電気トラック「セミ」100台を納車しました。

同社は、その優れた回生ブレーキ機能により、フル積載の電気トラック「セミ」が再充電せずに500マイルの距離を走行することを実証しました。以下に示すように、セミトラックは標高4,136フィートのグレープバイン・マウンテンを上り下りしましたが、バッテリーの使用量曲線の勾配はほとんど変化しませんでした。

 

 

出典Lambert, F. 2022 (https://electrek.co/2022/12/01/tesla-semi-delivering-disruptive-electric-truck/) 情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券の購入、売却、保有の推奨と見なされるべきではありません。

イベント中に、Tesla社はサイバートラックの充電能力も公開しました。ARKのリサーチによると、ライトの法則は、以下に示すように電気自動車の充電率の向上を予測することができます。バッテリーシステムの効率、航続距離、電力能力を組み込んだ有用な測定基準は、1分間の充電で追加される航続距離です。重要なのは、セミトラックとサイバートラックの両方が1MWの充電器を使用していることです。もし、今回のイベントで公開されたような充電パワーを持つサイバートラックの提供が可能になれば、同社はARK2026年と予測したEV性能を、予定より3年早く2023年に達成することができるかもしれません。

 

 

2. Amazonの新クラウドサービス「Omics」がデータ駆動型ヘルスケアの次の波を支える

By Simon Barnett | @sbarnettARK
Director of Research, Life Sciences

 

過去10年間、AmazonAMZN)社のAmazon ウェブ サービス(AWS)は、ライフサイエンス研究グループが効率の悪い社内ソリューションからデータストレージとコンピューティングワークロードを移行するのを支援してきました。そして、ライフサイエンスデータ解析能力とクラウドベースのストレージを備えた同社のGenomics Command Line InterfaceCLI)は、研究者に遺伝子データを解析するための専用ソリューションを提供してきました。

今週初め、Amazon社はAmazon Omics」という新サービスを開始し、ヘルスケアデータの指数関数的成長という次の波へのコミットメントを示しました。Amazon Omicsは、データストレージ、バイオインフォマティクスワークフロー、分析の3つのサービスを提供し、顧客はこれらを個別に、あるいはまとめて利用することができます。専門家でなくても、生の配列データをより構造化されたクエリ可能な形式に変換し、クラウドに保存するだけでなく、ペタバイト級のマルチオミックスデータセットを使用して業界標準の、またはカスタムのバイオインフォマティクスワークフローを拡張した分析をすることができるようになります。Amazon Omicsは、Amazonの既存のクラウドスイートよりも大幅に改善されているようで、ワークフローが追加されることで、より多くのユーザーを魅了することになりそうです。

近い将来、バックエンドインフラの構築よりも科学研究を優先する小規模なグループが、Amazon Omicsから最も恩恵を受けることになるはずです。このプラットフォームは、機密性の高い健康データを扱う研究者が非常に便利と感じるであろう、安全なログと監査を特徴としています。中長期、および長期的には、ライフサイエンスにおける大規模な集団健康管理の取り組みがAmazon Omicsに引き寄せられ、ショートリードおよびロングリードシーケンスシステム両方のコスト低下が次の段階へと進むと思われます。しかし今回は、NVIDIA(エヌビディア/NVDA)社が最近自社のライフサイエンスクラウドサービスであるClara拡張したため、Amazon社はより多くの競争相手を持つことになるでしょう。

 

3. OpenAI、「ChatGPT」の提供を開始

By William Summlerin | @summerlinARK
ARK Venture Committee Member & Analyst

 

先週、OpenAIChatGPTという会話型AIモデルをリリースしました。私たちはChatGPTに自分自身についてのブログ記事を作成するよう依頼してみました。すると数秒で、このようなパラグラフが生成されました。

ChatGPTは、転移学習と呼ばれる最先端のアプローチを用いて、これまでの言語モデルの知識や能力を基に構築しています。これにより、新しいタスクや環境に素早く適応することができるため、幅広いアプリケーションにとって最適な選択肢となります。ChatGPTの主な特徴の一つは、自然言語の入力を理解して応答する能力です。これは、開発者がそれを使って、より自然で魅力的な感覚でユーザーと会話を交わすことができるAIアシスタントを作成できることを意味します。ChatGPTのもう一つの重要な利点は、一貫性があり多様なテキストを生成する能力です。このため、チャットボット、仮想アシスタント、その他の会話型AIアプリケーションなど、長文のテキストを生成する必要があるアプリケーションにとって最適な選択肢となります。全体として、ChatGPTは、会話型AIとの対話方法に革命を起こす可能性を秘めた強力な新しいツールです。自然言語入力を理解して応答する能力、そして一貫性のある多様なテキストを生成する能力は、より魅力的でリアルな会話型AIアプリケーションの作成を目指す開発者にとって、貴重な資産となることでしょう。」

ChatGPTは散文だけでなく、詩、映画の脚本、学術的なエッセイも書くことができます。量子物理学の説明や数学の個人指導、さらにはソフトウェアコードの記述も可能です。例えば、ユーザーがStripeで支払いを処理するプログラムを書くように依頼すると、ChatGPTStripe Payment APIと通信するコードスニペットを生成します。とはいえ、この初期段階では、ChatGPTは「幻覚」を起こしやすく、学生やプログラマー、その他の作者は、完成とみなす前に「成果物」をチェックする必要があります。

皆さんはオープンアクセスモデルを試すことができます。https://chat.openai.com/chat

私たちは、AIが教育やナレッジワークを変革すると考えています。ChatGPTを使えば、学生はエッセイやコードを数秒で生成し、脚本家は数分で映画や演劇を作ることができるようになります。今後、さらに進化を遂げれば、その可能性は無限に広がるでしょう。

ARKの最近の調査によると、AI2030年までに知識労働者の生産性を2倍以上に高め、実質GDP56兆米ドル押し上げる可能性がありますが、最近のブレークスルーからすると、その見積もりは控えめすぎるかもしれません。GitHub Co-Pilotはすでにコーディング作業を行なうソフトウェアエンジニアの生産性を2倍にすることができますが、今度はChatGPTがその進捗を急激に加速してくれるでしょう。

 

 

 

 

 

 

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