Newsletter #350:暗号通貨融資のGenesis Globalが破産を申請、他。

作成者: ARK Invest|2023/01/23

本レポートは、2023123ARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #350」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. 暗号通貨融資のGenesis Globalが破産を申請

By Yassine Elmandjra | @yassineARK
Analyst

 

木曜日の夜、Digital Currency Group (DCG) の子会社である Genesis Global(ジェネシス・グローバル) が破産を申請し、BlockFiFTXCelsiusVoyager などが載ったリストに加えられました。Genesis社は従業員の30%を解雇しましたが、それでも資金を確保できなかったため、今回の申請となりました。申請書によると、破産は同社の融資事業に影響を与えるものの、取引や保管事業には影響をしないとされています。

Genesis社は、上位50社の債権者に36億米ドル以上の債務を負っており、その中には、最大の債権者であるGemini Trust(ジェミニ・トラスト)への76,600万米ドルが含まれています。また、その他の債権者にはMiranda CorpBabel FinanceVanEckCumberland DRWAbraなどが含まれます。

臨時CEODerar Islimよると、同社はできるだけ早く、効率的に破産から抜け出したいと考えているとのことです。しかし、連邦破産法第11条の下では、「自動停止」により、裁判所が請求手続きを決定するまで、Genesis社が債権者の請求に応じることはできません。

Gemini社のCEOであるCameron Winkelvossは、破産手続きによって明らかにされるべき疑問点をいくつか提起しています。「Genesis社は、DCGからの10年物約束手形を「流動資産」(現金、現金同等物、1年以内に現金に交換できるその他の資産にのみ適用されるカテゴリー)として誤表示したのか。また、DCGは、GBTCの株式を購入するためにGenesis社から5億米ドルを借り入れた際、資産を混ぜ合わせたり、優遇措置をとったりしたか。」といった疑問です。

発表後のビットコイン価格の5%上昇からしても、市場はすでにGenesis社の破産を割り引いているようです。この影響はGeminiなどにも及ぶ可能性がありますが、6ヵ月以上前のTerra/Lunaの破綻から始まった暗号資産関連のデレバレッジは一巡したように見えます。

 

2. 学術出版物は著者としてChatGPTを認めるべきか?

By Ali Urman | @aurmanARK
Analyst

 

先週、Nature誌は、科学者が学術出版物にChatGPTを著者として記載することに反対した論文を発表し、ジャーナル編集者が適切な引用のためのガイドラインを提示しました。ARKでは、ChatGPTをテキスト生成、分類、翻訳に利用することで、補助金の申請から科学的コミュニケーションに至るまで、プロジェクトやタスクに革命が起こる可能性が高いと考える一方、正確で適切なソーシングが信頼性のために重要になると見ています。

 

3. Microsoft、「Azure OpenAI Service」をリリース

By William Summerlin | @summerlinARK
ARK Venture Committee Member & Analyst

 

先週、1年間のテスト期間を経て、Microsoft社はAzure OpenAI Serviceを公開しました。 Azure OpenAI は、GPT-3.5CodexDALL-E などのさまざまな AI モデルを提供しており、開発者たちはそれらを独自の製品に統合できるようになります。

Microsoft社が2019年に10億米ドルを投資した後、そのパートナーシップは進化し、強化され、最終的にはOpenAIのモデルを自社製品に組み込みました。例えば、Azure OpenAIGitHub Copilotを動かしています。現在、さらに100億米ドルを投資するという噂は、同社がAI競争に向けて積極的に準備を進めていることを示唆しています。

OpenAIで学習させたような基礎モデルは幅広いユースケースに対応しますが、独自のデータで学習させた小規模モデルにも利点があり、大きな普及が見込まれると私たちは考えています。より計算効率が高く、学習と展開が迅速な小型モデルは、リソースが限られたデバイス上でリアルタイムのアプリケーションを実現することができます。さらに、自己トレーニングをしたモデルは、モデルプロバイダーとデータを共有する必要がありません。これは、特許記録のような競合するデータにおいて重要な考慮すべき点です。これらの利点は、一般的なテキスト要約のような特定のユースケースにおいて、大規模な基礎モデルと比較した場合のパフォーマンスコストに起因します。言い換えれば、モデルサイズと独自のデータとの間のトレードオフは、パフォーマンスの要求とデータの競争上の機密性に大きく依存すると思われます。

 

 

 

 

 

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