本レポートは、2023年4月4日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #360」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
By Nick Grous | @grousARK
Associate Portfolio Manager
先週、ARKのNick GrousとAndrew Kimは、Game Developers Conference (GDC/ゲーム開発者会議)2023に出席し、Epic Games、Roblox、およびUnity Technologiesの各社が、ゲーム開発の障壁を下げることになる新製品を発表するのを目の当たりにしてきました。こうした新製品は、AI技術の統合、計算コストの削減、クロスプラットフォームゲームの実現を目指したものです。
Epic Games
Epic Gamesは、写実的なUnreal Engine 5.2アップデートを発表し、デジタルアーティストがグラフィックの忠実度を高めることができる新しいシェーディングシステム「Substrate(サブストレート)」と、下に示すような、環境をオブジェクトから大規模かつ写実的な世界に拡張する新しいPCG(Procedural Content Generation)ツールも発表しました。
出所: Epic Games 情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券や暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものとみなされるべきではありません。
また、同社はMetaHuman アニメーターも公開しました。これは、人間の顔の表情を数分でキャプチャしてアニメーション化するものであり、これまで数ヵ月かかっていたプロセスが数分の一のコストで実現します。
そして、Epic社はFortniteエコシステムの大幅なアップデートも発表しました。Fortniteクリエイターが既存のUnreal Engineツールを活用してFortniteの世界でのミニゲームや体験をデザイン、開発、公開できるUnreal Editorインターフェイスを導入したのです。また、これらの新しいツールの普及を促進するために、同社は、「Creator Economy 2.0」イニシアティブを開始しました。これにより、Fortnite Creativeの純収入の40%がサードパーティ開発者に分配されます。
最後に、Epic Games社は、Unreal Engine Marketplace、Sketchfab、Quixel Bridge、ArtStation Marketplaceなどのマーケットプレイスを統合し、Unreal Engine、Roblox Studio、Unityなどと互換性のある3Dアセットマーケットプレイス「Fab」に集約しました。同社のストアで販売されるサードパーティ製のゲームと同様に、Fabで販売される3Dアセットに対しても、サードパーティのアーティストに12%の販売手数料を課すことになります。
Roblox
ジェネレーティブAIを統合するアプローチについて説明した後、Roblox社のチームは、AIコードアシスタントとAIマテリアルジェネレーターを使用してコンテンツ制作を加速させる計画を発表しました。また、「Roblox Studio」を統括するステファノ・コラッツァ氏は、AIによって生成されたアセットやエクスペリエンスを提供するRobloxの計画を明らかにしました。
出所: Roblox 情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券や暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものとみなされるべきではありません。
Unity Technologies
Unity社もまた、ジェネレーティブAIを統合して自然言語クエリによるアセット作成とゲーム開発を可能にする新しいツールを発表しました。また、Unityチームは、開発者がパフォーマンスが最適化された大規模な世界をより簡単に構築できるようにするための一連のツールであるDOTS(Data-Oriented Technology Stack)についても説明しました。そして最後に同社は、以下のように超リアルな表情筋の動きなど、フェイシャルアニメーションの自動化を加速させるために設計されたツールであるZiva Face Trainerを発表しました。
出所:Unity Technologies 情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券や暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものとみなされるべきではありません。
結論
Game Developers Conferenceは、ARKが2023年にリリースした「Big Ideas 2023」の中で説明したビデオゲームに関する私たちの主張を裏付けるものでした。当社のリサーチによると、ゲーム、ソーシャルメディア、ジェネレーティブAIの融合により、ユーザー生成コンテンツが急増し、ゲーマーがクリエイターとなる世界が実現するため、世界のゲームソフトウェアとサービスの売上は、2022年の2,000億米ドル未満から2027年には3,000億米ドル超と、今後5年間で年率10%成長すると予測しています。
By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics
自動化(オートメーション)という言葉を聞くと、企業や消費者は、大幅な生産性向上の可能性への期待と、大規模な失業への不安という両面からの反応を示します。今週、OpenAI、OpenResearch、およびペンシルバニア大学は、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)が労働市場に与える影響に関する新しい研究を発表しました。その大まかな調査結果は、「米国の労働者の80%が、LLMの導入により、少なくとも10%の作業タスクに影響を受ける可能性があり、約19%の労働者は、少なくとも50%のタスクに影響を受ける可能性がある。」というものです。
ARKのリサーチによると、テクノロジーが失業率を増加させることはありませんが、単調な作業や単純作業に関連する雇用に取って代わるものとなります。歴史的に見ると、自動化ツールは時間の経過とともに、取って代わられた雇用よりも多くの雇用を生み出してきましたが、自動化によって職業が変化するにつれて、同時に再教育の必要性も生み出してきました。
自動化によって生産性が向上すると誰が得をするのかを理解するために、私たちは以下の3つのシナリオを想定してリサーチを行なっていますが、その答えには3つすべてが関係しているという仮説を立てています。
By Frank Downing | @downingARK
Director of Research, Next Generation Internet
商品先物取引委員会(CFTC)は、Binance(バイナンス)社とそのCEOであるChangpeng Zhao氏(以下「CZ」)を、CZの指示により米国連邦法に違反したとして提訴しています。先週月曜日に提出されたCFTCの訴状は、Binance社が2017年以降、適切な登録や顧客確認「Know Your Customer(KYC)」およびアンチマネーロンダリング(AML)遵守のための十分な管理なしに、先物、オプション、スワップ、レバレッジを含む商品ベースのデリバティブ商品を提供していたと主張しています。CFTCはまた、同社がメインプラットフォームへのアクセスを閉鎖すると公言した後も、故意に米国の顧客アカウントを許可していたと主張しています。訴状によると、同社はまた、そのプラットフォーム上の違法行為の取り締まりも怠っていたとされています。そして最後に、Binance社が規制を逃れるために複雑なグローバル構造を設計したことを告発しています。つまり、別個の事業体とされるBinance.USは、親会社とより密接に結びついていたようです。
FTXとFTX.USの類似性は、CFTCのBinance社に対する監視を強化し、同社が証券法を破ったというSECの主張だけでなく、ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)による2月のBinance社のUSDステーブルコイン閉鎖の決定にも信憑性を与えていると私たちは見ています。同社を取り締まる規制当局が増えるにつれ、Uniswapのような分散型取引所やCoinbaseやKrakenのようなコンプライアンスを重視する取引所に暗号資産取引が移行する可能性があります。
ARK’s statements are not an endorsement of any company or a recommendation to buy, sell or hold any security. For a list of all purchases and sales made by ARK for client accounts during the past year that could be considered by the SEC as recommendations, click here. It should not be assumed that recommendations made in the future will be profitable or will equal the performance of the securities in this list. For full disclosures, click here.