本レポートは、2024年2月5日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #401」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
By Andrew Kim | @andrewkimARK
Analyst
Meta Platforms(メタ・プラットフォームズ)社は先週、前年同期比22%という予想を上回る増益と、21ポイント上昇して41%になった営業利益率など、驚異的な第4四半期決算を発表しました[i]。また、ソーシャルメディアの巨人は、今四半期も収益成長率を更に25%に加速させるとの見通しを示しました。1年間の効率化を実現した後、経営陣は0.50米ドルの配当も開始し、既存の310億米ドルの自社株買い枠に加え、500億米ドルの自社株買いを承認しました。
経営陣は決算発表で、スマートフォン以降の世界における次の消費者向けハードウェア/ソフトウェアのパラダイムとして、スマートグラスと生成AIを強調しました。マーク・ザッカーバーグ氏によると、「Ray-Ban Meta(レイバン・メタ)」スマートグラスの売れ行きは予想以上に好調とのことです。
AIアシストが組み込まれたスマートグラスがキラーアプリとなり、ホログラムや臨場感が後から登場する可能性は十分にあります。(もしかしたら、私たちが以前話していたのと同じ時間軸にあるかもしれませんが、私たちが予想していたのと同じくらい重要なことになるかもしれません。)しかし、それ以前からここに大きな市場が存在する可能性があります。したがって、今後数年の内にそれが分かることでしょう。
Humane(ヒューメイン) Ai Pin、Tab、Rabbit R1、Ray-Ban Metaスマートグラスなど、最近AIハードウェア製品の発売が急増していることを考えると、次世代の消費者向けハードウェアは、パソコンやスマートフォンが初期にそうであったように、細分化されつつあるようです。Apple社が最近発表したVision Proの評価が賛否両論[ii]あることや、同社の方針に対する最近の開発者の怒り[iii]を考慮すると、新しいAI消費者向けハードウェアは、長年続いたスマートフォンの二強体制を崩壊させる過程にあるのかもしれません。
By Sam Korus & Daniel Maguire | @ARKInvest
Autonomous Technology & Robotics Team
先週のTesla社の決算説明会で、イーロン・マスク氏は、同社が対応可能な市場規模に関する質問に対して「わからない」と答えました[iv]。しかし、Big Ideas 2024[v]に向けた私たちの最新のリサーチによると、2025年末に予定されている低コストの次世代自動車プラットフォームのリリースにより、Tesla社が対象とする市場規模は10倍に拡大する可能性があります。
2023年に世界で最も売れたクルマはモデルYで、その販売台数は120万台でした[vi] 。 4万米ドル台前半という価格にもかかわらず、です[vii]。重要なのは、4万米ドル以上の価格では、市場のわずか5%しか対応できませんが、当社のリサーチによれば、2万5,000米ドルでは、以下に示すように50%にまで拡大するのです。
Tesla社の次世代自動車プラットフォームのビジネスチャンスを見極めるため、ARKのリサーチにご注目ください。
*2023年より古いデータはCPIを用いて2023年の米ドルに調整されています。
出所: ARK Investment Management LLC、2024年、外部ソースからの様々なデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスや特定の証券や暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。また過去の実績は将来の結果を示すものではありません。
Tasha Keeney, Sam Korus, & Daniel Maguire | @ARKInvest
Autonomous Technology & Robotics Team
イーロン・マスク氏が目指すブレイン・マシン・インターフェース(BMI)作成における重要な節目を乗り超えて[viii]、Neuralink(ニューラルリンク)社のロボットが、チップを人の頭蓋骨に埋め込み[ix]ました。下のチップのサイズをご覧ください。
出所:Chappell 2024[x] この画像は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券の売買・保有を推奨するものではありません。
マスク氏は「患者は順調に回復している」とし、「初期の結果では、ニューロン・スパイクの検出に有望な結果が示されている」と述べましたが、Neuralink社のPrecise Robotically Implanted Brain Computer Interface(PRIME:精密ロボット埋込型ブレインコンピュータインターフェース)研究は、チップの安全性、プライバシー、価値を証明する必要があります。しかし、先行技術は有効性を実証しています。例えば、ユタ・アレイと脳深部刺激は、ロボットアームを制御し[xi]、強迫性障害(OCD)、記憶障害、意識障害、運動障害に対処することができます[xii]。さらに最近では、オーストラリアのSynchron(シンクロン)社が、脳の血管に通した微小電極メッシュを使って2人の患者を治療しました。ALSを患う最初の治験者であるグラハムは、チップを介した思考によって、妻とコミュニケーションすることができました[xiii]。
BMIは長期的に大きな可能性を秘めていますが、短期的なインパクトもかなり説得力があるようです。より高精細なロボティクスの助けを借りて、外科医たちはさらに精度を上げ、コントロールできるようになるべきです。
[i] Meta. 2024. “Meta Reports Fourth Quarter and Full Year 2023 Results; Initiates Quarterly Dividend.”
[ii] Patel, N. 2024. “Apple Vision Pro review: magic, until it’s not.” The Verge.
[iii] Spotify. 2023. “Read Spotify’s Joint Letter with European Companies Calling for Meaningful Regulatory Action Against Apple.”
[iv] SA Transcripts. “Telsa, Inc. (TSLA) Q4 2023 Earnings Call Transcript.” Seeking Alpha.
[v] ARK Investment Management. 2024. “Big Ideas 2024: Disrupting The Norm, Defining The Future.”
[vi] Tesla. 2024. “Q4 and 2023 Update.”
[vii] Tesla. 2024. “Model Y.”
[viii] 2020年7月、FDAはNeuralink社の技術を「画期的なデバイス」に指定し、FDAは2023年5月中のヒト臨床試験を承認した。 Whooley, S. 2020. “Elon Musk’s Neuralink moving forward with brain implant.” +Mass Device参照。Knutson, J. 2024. “How Elon Musk‘s Neuralink brain chip got approval for a human trial.” Axios参照。
[ix] Guarino, B. 2024. “Elon Musk’s Neuralink Has Implanted Its First Chip in a Human Brain. What’s Next?” SciAM.
[x] Chappell, B. 2024. “What to know about Elon Musk's Neuralink, which put an implant into a human brain.” NPR.
[xi] Bullard, A. 2019. “Feasibility of Using the Utah Array for Long-Term Fully Implantable Neuroprosthesis Systems.” Dissertation, University of Michigan.
[xii] Queensland Brain Institute. 2023. “Deep brain stimulation: merging brains and machines.”
[xiii] Synchron. 2024. “Neurotechnology to address the limitations of the human body.”
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