本レポートは、2024年10月21日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #436」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics
先週の日曜日、SpaceX社はStarshipロケットの5回目の試験飛行を行ない、そのMechazilla(メカジラ)の箸型アームでブースターをキャッチ[1]することに成功しました(下の写真を参照)。この印象的なエンジニアリングの偉業は、Starshipをわずか数時間後に再利用するために不可欠であり、その成果をいくら強調してもし過ぎることはありません。
また先週、同社はStarlink(スターリンク)のV3衛星に関する連邦通信委員会(FCC)への申請も更新し、顧客の帯域幅を桁違いに拡大してギガビットの速度を達成する計画も盛り込みました。
SpaceX社は、独自のリーグで計画を実行し続けています。歴史的なキャッチをまだご覧になっていない方は、こちらのクリップをお楽しみください。
https://x.com/SpaceX/status/1845924467966726229
出所: SpaceX 2024. Korusがリアルタイムで撮影した箸型アームでのキャッチのスクリーンショット。本資料は情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスや特定の証券の売買・保有を推奨するものではありません。
By Lorenzo Valente | @LorenzoARK
Research Associate
2019年にドライデン・ブラウン氏によって設立されたPraxis(プラクシス)は、技術革新と科学技術の進歩を促進する目的で設計されたインターネットネイティブ都市を建設するためにGEM DigitalとArh Lending2社の主導で5億2,500万米ドル[2]の資金調達を行なったばかりです。ブラウン氏はPraxisについて、Coinbase(コインベース)の元CTOであるバラジ・スリニヴァサン氏に触発された暗号資産ネイティブ・ムーブメントであるネットワーク国家を推進する、将来有望なテクノロジー系新興企業や起業家のための都市ハブだと説明しました。
現在はテクノロジー投資家であり、Praxisの投資家でもあるスリニヴァサン氏は、長年にわたって自身のユートピア・ビジョンについて執筆、講演、教育を行なってきました。同氏は、テクノロジー、暗号資産、分散型ガバナンスを組み合わせることで、新しいデジタルファーストの自律型社会の基礎を築くことができると考えています。バラジ氏の理論は、目標と利害が一致すれば、非常に優秀な人々の集団が卓越した成果を達成できるという考えに基づいています。過去25年間、小規模なコミュニティが数兆米ドル規模の企業やソーシャルネットワーク、通貨を構築してきました。バラジ氏は、ネットワーク国家こそがこの進化の次のステップだと考えています。Praxisは、同氏の構想の下、84ヵ国に分散する14,000人からなるインターネット・ネイティブ・コミュニティであり、そのメンバーは合計で4,000億米ドル以上の価値のある企業を設立しています[3]。
Praxisは、最近の資金調達ラウンドをドローダウン・ファシリティとして構成し、政府認可の取得、土地の取得、不動産のトークン化といった特定のマイルストーンに基づいて分配を行ないました。ドライデン・ブラウン氏によると、Praxisコミュニティの2,500人以上のメンバーがこの都市への移住を表明しているそうです。ある政府がこの都市を受け入れる提案をした後、他のいくつかの国も独自の提案を行ないました。
新興企業社会や独立したコミュニティを作ろうとする試みは目新しいものではなく、その多くが失敗に終わっていますが、Praxisは前進を続けています。ドライデン・ブラウン氏は、第1四半期末までに都市の物理的な位置を公表する意向で、2026年後半にはそこに住民が住み始めると予想しています。第一フェーズの計画では、約1,000エーカー(約1,000ヘクタール)の土地を占有し、約10,000人を収容する予定です。
By Frank Downing | @downingARK
Director of Research, Next Generation Internet
ChatGPTは、急成長している多くの競合他社と同様に、シンプルな製品として発売されました。Googleの検索バーのようなテキストボックスがあり、質問ができるようになっている、クリーンなホームページです。そのリリースからほぼ2年近く経った今、多くのAI企業がユーザーによるアプリの体験を進化させ、ユーザーが自社のモデルにエンゲージするための魅力的な方法を生み出しつつあります。一般的なトレンドとしては、次のようなものがあります。
永続的なコンテキスト:AIモデルにコンテキストを追加すると、通常は結果が改善されますが、チャットごとに背景情報を入力するのは骨の折れる作業です。Perplexity、Anthropic、OpenAIのような企業は、この問題を解決することを目的とした機能を立ち上げました。Perplexity社のSpace[4]とAnthropic社のProjects[5]では、ユーザーが特定のプロジェクトに関連したドキュメントをアップロードできます。その後、このモデルは、チームが取り組んでいるプロジェクトに関連するすべての会話に適用される関連情報を参照することができます。OpenAI社のソリューション[6]はよりパーソナルです。ChatGPTは、ユーザーが潜在的に重要とであるとみなした情報をメモします。
より良いコラボレーション:OpenAIは最近ChatGPT用のCanvas[7] をリリースしました。これにより、インタラクティブな書き込みとコーディングが可能になります。ユーザーは文書全体を書き直す代わりに、特定のコンテンツやコードをハイライトして、AIアシスタントがそこに焦点を合わせて編集することができます。Anthropicは今年初めに、Artifacts[8]と呼ばれる同様の機能をリリースしました。また、ChatGPTとPerplexityはそれぞれ、スタータープロンプトとフォローアップの質問の候補も提供し、ユーザーがタスクに取り組んだり、追加情報をより早く入手できるようにしています。
新しいトレンドでは、ユーザーがAIアシスタントを直接操作する時間が増え、さまざまなアプリケーションを行き来する必要性がなくなり、特定のアシスタントアプリケーション内でより多くのコンテキストが構築されるにつれて、ユーザーの定着率を高めています。この新しいトレンドは、画像、動画、音声のサポート、ウェブ検索、サードパーティとの統合、そして最近では高度な推論機能[9]など、他の技術機能の進歩ともうまく調和しています。
[1] SpaceX. 2024. “Super Heavy landing burn and catch.” X.
[2] Katte, S. 2024. “Praxis gets $525M for utopic crypto, AI-friendly city.” Cointelegraph.
[3] Praxis. 2024. “Praxis Announces $525M Financing for New City.”
[4] Perplexity. 2024. “What are Spaces?”
[5] Anthropic. 2024. “What are Projects?”
[6] OpenAI. 2024. “Memory and new controls for ChatGPT.”
[7] OpenAI. 2024. “Introducing canvas.”
[8] Anthropic. 2024. “Claude 3.5 Sonnet
[9] Downing, F. 2024. “OpenAI's o1 Outperforms Other LLMs By ‘Stopping To Think.’” ARK Disrupt Newsletter. ARK Investment Management LLC.
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