本レポートは、2026年8月3日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #519」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
By Karim Mattar | @ARKInvest
Research Associate, AI & Cloud
先週発表されたAlphabet、Microsoft、Amazonの決算は、AIおよびクラウドインフラ需要の継続的な拡大を示す内容となりました。各社はデータセンター、カスタム半導体、コンピューティング能力への投資をさらに強化しています[1]。第2四半期には、3社ともクラウド事業の成長が加速しました。Google Cloudは前年同期比成長率が第1四半期の63%から82%へ、Microsoft Azureは39%から43%へ、Amazon Web Services(AWS)は28%から37%へ上昇し、18四半期ぶりの高い成長率を記録しました[2]。
経営陣のコメントからは、AIワークロードの高度化に伴い、インフラ不足が依然として成長の制約要因となっていることも明らかになりました。その結果、Alphabetは2026年の設備投資見通しを1,800億~1,900億米ドルから1,950億~2,050億米ドルへ引き上げました。対象は、自社開発TPU、Axion CPU、クラウドインフラ、Geminiの最先端モデルに至る垂直統合型AIスタック全体に及びます。一方Amazonは、2026年の設備投資計画を約2,000億米ドルから2,200億米ドルへ引き上げました。AIインフラやメモリコストに加え、半導体、ロボティクス、衛星関連投資を強化する方針を示しています。
特にAmazonは、需要と供給能力の不均衡が依然として大きいことを明確に示しました。CEOのアンディ・ジャシー氏は、約2,200億米ドルを投資しても需要を十分に満たせない可能性があり、この状況は2027年まで続く可能性があると述べています。また同社は、AI事業と半導体事業の年間売上ランレートがそれぞれ250億米ドルを超え、いずれも前年同期比で3桁成長を続けていることを明らかにしました。
ハイパースケーラー各社にとって、垂直統合はますます重要な差別化要因となっています。Alphabetは独自TPU・CPUとGeminiおよびGoogle Cloudを統合し、Microsoftはクラウドインフラ、独自および他社製AIモデル、ソフトウェア配信網、企業顧客基盤を統合しています。AmazonはAWSに加え、Trainium、Inferentia、Graviton、Bedrock、そして多数の外部モデルを組み合わせています。こうした統合型スタックにより、AIコンピューティングシステム全体にわたって性能、供給能力、コストの最適化が可能になると考えられます。
設備稼働率、減価償却費、フリーキャッシュフロー、投資収益率などに関する議論は続いています。しかし現時点の結果を見る限り、ハイパースケーラー各社は「過剰設備」ではなく「設備不足」こそが目下の制約であると判断しているようです。
By Tasha Keeney, CFA | @TashaARK
Director of Research, Autonmous Technology & Robotics /
Director of Investment Analysis
Starshipの13回目の飛行後、軟着水した機体の映像からは、耐熱タイルのひび割れやアブレーターの痕跡が確認され、高温プラズマがタイルの継ぎ目から侵入した可能性が示唆されました[3]。先週、NASAで熱防護システムに携わった3人のベテラン技術者が、Starshipのセラミック製耐熱タイルについて、「完全かつ迅速な再利用を必要とするミッションにとっては行き止まりの技術」であると主張しました。約18,000枚に及ぶタイルを飛行のたびに入念に点検しなければならないことが、その理由です[4]。過去の経験を踏まえ、彼らは、こうした点検作業がスペースシャトルの運用を年間4~5回の飛行に制限していたと指摘しています。
一方、飛行試験の実績を見る限り、SpaceXは耐熱シールドの再利用性向上において大きな進展を遂げているようです。SpaceXが耐熱シールドの限界を探るため、Starshipをより高い動圧条件で試験するなかでも、下図に示す通り、損傷は大幅な減少傾向を示しています[5]。
出所:Musk(2026) [6]。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券の購入、売却もしくは保有を推奨するものではありません。
スペースシャトルとは異なり、Starshipには人間が搭乗していないため、衛星投入後に機体を失うことも許容できます。また、スペースシャトルではタイル1枚の損傷が機体の喪失につながる可能性がありましたが、Starshipの耐熱シールド構造ははるかに高い許容度を備えています[7]。スペースシャトルの耐熱タイルはすべて個別仕様であり、取り付けには延べ2人年もの作業を要しました。また各飛行後には、点検・交換・整備のために17,000時間を超える作業が必要でした。このプロジェクトは、まさに血と汗と涙、そして唾によって築かれたものでした。初期には、接着剤があまりにも早く乾燥してしまうため、作業員が唾を付けて乾燥を遅らせていたほどであり、この慣行は後にNASAによって中止されました[8]。一方、Starshipのタイルは標準化されており、自動化された生産ラインで13秒に1枚のペースで製造されています。これは、スペースシャトルのタイル1枚の製造・取り付けに約3日を要したことと比べると、ごくわずかな時間です[9]。さらに最近では、SpaceXは機体全体のタイル交換作業をわずか2週間で完了しました。これはスペースシャトルの最速実績よりも約4倍速いペースです[10]。迅速な再利用を実現するため、今後も同社はさらなる効率化を進めるとみられます[11]。
航空機並みの再利用性を実現する以前であっても、Starshipが一桁回数でも再利用されるようになれば、打ち上げコストに大きな影響を与える可能性があります。耐熱タイルの整備が最大の制約となった場合でも、その工程を数日単位まで短縮できれば、現在約1,000米ドル/kgとされる軌道投入コストは、イーロン・マスク氏が目標としている100~200米ドル/kgへ向けて大幅に低下する可能性があります[12]。
By Brett Winton | @wintonARK
Chief Futurist
過去1ヵ月の間に、OpenAIはGPT-5.6のリリースによって最先端AIのコストを半減させました。また、Anthropic(アンソロピック)は、OpenAIと同等のコスト当たり性能を実現する最先端モデル「Opus 5」を発表しました。さらにOpenAIは、中規模モデルのTerraおよび最小規模の最先端モデルであるLunaの価格を、それぞれ20%、80%引き下げました。下図に示す通り、知能のコストは急速に低下しています[13]。
出所:ARK Investment Management LLC、2026年。2026年7月30日時点のDatacurve.aiのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。
ARKの『Big Ideas 2026』では、2025年の推論コストが性能調整後ベースで前年比99%低下したことを示しました。エージェント型AIのベンチマークでは、コストはさらに速いペースで低下しています。今年の性能水準であるDeepSWEスコア20%を基準にすると、過去の実績ベースのコストは7,000分の1、すなわち99.99%低下しました。2026年2月時点では、AnthropicのSonnet 4.6が同水準の性能を1タスク当たり約3米ドルで提供していましたが、7月にはOpenAIのGPT-5.6 Lunaが同等の性能をわずか0.06米ドルで実現しています。さらに、性能調整後ベースでは、今後1年間でコストが追加で99.96%低下すると見込まれており、その様子を下図に示しています[14]。
出所:ARK Investment Management LLC、2026年。2026年7月30日時点のDatacurve.aiのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。
もっとも、特定のベンチマークにおける一定性能でのコストは、AIの進歩を測る指標の一つに過ぎません。例えば、DeepSWEのようなエージェント型コーディングベンチマークにおいて、2026年初頭には50%の性能を達成すること自体が、いかなる価格でも事実上不可能でした。しかし現在では、その性能を1タスク当たり0.15米ドルで利用できます。このような能力向上は、市場を大きく広げています。文字通り、AIモデルはわずか6ヵ月前には実現不可能だったことを達成できるようになっています。この点を示すために、ARKはDeepSWEベンチマークについて別の性能向上曲線を算出しています。これは、大量の思考連鎖(Chain-of-Thought)トークンを投入した際のエラー率低下幅を測定したものです。DeepSWEにおける最高性能モデルのエラー率は、年率換算で4.2倍のペースで改善しています。実際には、1タスク当たり1米ドルのコストを前提とすると、2026年3月時点では最高性能モデルでも92%の確率で失敗していたのに対し、現在では失敗率が30%まで低下しています。そして来年の今ごろには、失敗率はわずか3%まで低下する可能性があります。その状況を、下図2点に示しています[15]。
出所:ARK Investment Management LLC、2026年。2026年7月30日時点のDatacurve.aiのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。
出所:ARK Investment Management LLC、2026年。2026年7月30日時点のDatacurve.aiのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。
最先端モデルの性能を測る第3の指標は、やや見えにくいものです。性能対コスト曲線上の最適点において、性能を向上または低下させるために、どれだけのコスト変化が必要になるのかという指標です。2024年9月にOpenAIのo1モデルがテスト時推論(test-time compute)を導入する以前、ユーザーがこのトレードオフを検証することは容易ではありませんでした。しかし現在では、追加予算1%当たりのエラー率改善効果を表す曲線の傾きが急激になっているようです。つまり、モデルは単に高性能化し、一定性能当たりのコストが下がっているだけではなく、ユーザーが求める性能水準に対してより敏感に反応できるようになっているのです。この傾きは、性能を1ポイント向上させるために必要な予算比率で測定すると、下図に示す通り年率約2倍のペースで改善しています[16]。
出所:ARK Investment Management LLC、2026年。2026年7月30日時点のDatacurve.aiのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。
これらの要素を組み合わせることで、DeepSWEベンチマーク全体にわたって、将来の性能改善を予測することができます。次の図では、左から右に並ぶそれぞれの四角形が、実際に起きた、あるいはモデル化された「性能当たりコスト」の低下を表しています。スコア5%から70%の範囲全体で見ると、今後1年間でコストは平均約99.97%低下すると見込まれています。また、より高い性能領域ほどコスト低下幅は大きくなり、これまで実現不可能だった性能水準が利用可能になると考えられます[17]。
出所:ARK Investment Management LLC、2026年。2026年7月30日時点のDatacurve.aiのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。
AIコストの低下ペースはあまりにも急激であり、「知能が過剰に供給されるほどになるのではないか」という自然な疑問が生じます。しかし、これまでに得られている証拠と当社の予測に照らすと、その答えは「ノー」です。AIシステムは驚くべき成果を挙げられるようになっている一方で、多くのナレッジワーク分野では依然として十分とは言えません。また、身体性を伴うAI(Embodied AI)や生物学分野におけるAI活用は、まだ初期段階にあります。これまで、AIモデルの能力が新たな閾値を超えるたびに、その性能向上はかつてないペースで収益成長につながってきましたが、ARKはこの傾向が今後も続くと考えています。次の図に示す通り、最先端AIモデルを開発する企業群の年間換算売上高(ランレート)は、すでに1,000億米ドルを超えている可能性があります。さらに2030年までには、その売上高は数兆米ドル規模に達する可能性があります[18]。
出所:ARK Investment Management LLC(2026年)。AnthropicのSeries H資金調達発表(2026年5月28日)、TickerTrendsの未上場企業ARR追跡データ(2026年7月)、Axios/Fundaによる売上推計(2026年7月)、CNBCによるOpenAI売上アップデート(2026年7月)、ならびにReuters、Bloomberg、The InformationおよびBloomberg Lawによる過去のARR開示データに基づく。2030年の最先端モデル企業の売上高は、ARKによる中程度の普及シナリオに基づく予測であり、2026年7月30日時点における各社の業績見通しではありません。本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言または特定の有価証券もしくは暗号資産の購入、売却、保有を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を示唆するものではありません。また、予測には本質的な限界があり、将来の結果を保証するものではありません。
最先端モデル企業の収益がどのような軌道をたどるかにかかわらず、エンドユーザーや企業は、1タスク当たり極めて低コストで非常に高度な知能へアクセスできるようになるでしょう。その結果、企業間の競争環境はこれまで以上に流動的かつ激しいものとなり、競争を勝ち抜く企業は、最先端の知能を確保するための投資を引き続き拡大していくと考えられます[19]。
[1] Alphabet. 2026. “Q2 2026 Earnings Call.” Microsoft. 2026. “FY2026 Q4 Earnings Call.” Amazon. 2026. “Q2 2026 Earnings Release.” Amazon. 2026. “Q2 2026 Earnings-call Transcript.” Google Cloud、AzureおよびAWSの当四半期の成長率、設備投資(CapEx)に関するコメント、供給能力の制約、ならびにAmazonのAI事業および半導体事業の年間売上ランレート250億米ドル超に関するデータは、それぞれの当四半期資料に基づく。前四半期との比較は各社の前回決算資料によって裏付けられている。Alphabet. 2026. “Q1 2026 Earnings Call.” Microsoft. 2026. “FY2026 Q1 Earnings Call.” Amazon. 2026. “Q1 2026 Earnings Release.” Amazon. 2026. “Q1 2026 Earnings-call Transcript.”
[2] Alphabet. 2026. “Q2 2026 Earnings Call.” Microsoft. 2026. “FY2026 Q4 Earnings Call.” Amazon. 2026. “Q2 2026 Earnings Release.” Amazon. 2026. “Q2 2026 Earnings-call Transcript.” Google Cloud、AzureおよびAWSの当四半期の成長率、設備投資(CapEx)に関するコメント、供給能力の制約、ならびにAmazonのAI事業および半導体事業の年間売上ランレート250億米ドル超に関するデータは、それぞれの当四半期資料に基づく。前四半期との比較は各社の前回決算資料によって裏付けられている。The prior-quarter comparisons are supported by the companies’ previous earnings materials. Alphabet. 2026. “Q1 2026 Earnings Call.” Microsoft. 2026. “FY2026 Q1 Earnings Call.” Amazon. 2026. “Q1 2026 Earnings Release.” Amazon. 2026. “Q1 2026 Earnings-call Transcript.”
[3] Space.com. 2026. “SpaceX's Starship megarocket makes the 'softest splashdown' ever after launching next-gen Starlink satellites in Flight 13 test.”
[4] Berger, E. 2026. “Experts warn current Starship heat shield tech is a “dead end” for rapid reuse. Ars Technica.あわせて参照:Bloomberg. 2026. “SpaceX Starship Heat Shield Can't Support Rapid Flights, Experts Say.”あわせて参照: Satterfield, R. 2026. “Starship Heat Shield Tiles Are a Dead End for Rapid Reuse, Former NASA Experts Warn.” Tech Times.注:ステンレス鋼の耐熱温度約800℃とアルミニウムの約175℃との比較についても、Satterfieldが出所である。Lapointe, E. 2026. “Starship's Heat Shield Looked Great After Flight 13, But Experts Spotted Something Troubling.” Gizmodo.
[5] Musk, E. 2026. “Latest heat shield design looks great!..” X.
[6] 同上。
[7] Satterfield, R. 2026. “Starship Heat Shield Tiles Are a Dead End for Rapid Reuse, Former NASA Experts Warn.” Tech Times.あわせて参照:TheSpaceBucket. 2024. “SpaceX Is Adding An Additional Heat Shield Layer To Starship.”あわせて参照: The Washington Post. 2003. “Ceramic Shuttle Tiles Had History of Glitches.”
[8] 同上。
[9] 同上。あわせて参照: FinancialContent/TokenRing AI. 2025. “Elon Musk‘s ’Bakery‘ Forges the Future of Space Travel with Mass-Produced Starship Heat Shields.”
[10] Manley, S. 2026. “It would suck if spaceX had to remove…” X.
[11] Raman, P. 2026. “How Cheap Is Starship V3 Really?” SpaceOrbitals.
[12] UNITED STATES SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION. 2026. “AMENDMENT NO. 2 TO FORM S-1. Space Exploration Technologies Corp. June 3, 2026.”あわせて参照: Robinson-Smith, W. 2025. “SpaceX Launches 450th Falcon 9 Rocket, Breaks Booster Turnaround Record on NRO Mission.” Spaceflight Now.あわせて参照: Raman, P. 2026. “How Cheap Is Starship V3 Really?” SpaceOrbitals.
[13] リリース日および価格に関する記載は、2026年7月31日時点までの各社の公式資料に基づく。本稿の他の箇所で使用しているベンチマークコストは、2026年7月30日時点の価格を反映したDeepSWE v1.1の観測値を使用している。OpenAIは2026年7月9日にGPT-5.6をリリースした。そのプレビューでは、TerraはGPT-5.5に匹敵する性能を半分のコストで実現すると説明されている。OpenAI. 2026. “GPT-5.6: Frontier intelligence that scales with your ambition.”あわせて参照: OpenAI. 2026. “Previewing GPT-5.6 Sol: a next-generation model.” Anthropicは2026年7月24日にClaude Opus 5をリリースした。Anthropic. 2026. “Claude Platform release notes.”なお、コスト当たり性能の比較値は、APIの公表価格だけではなく、実際に観測された推論コスト曲線に基づいてモデル化されている。
[14] ARK Big Ideas 2026の20ページでは、一部の指標において推論コストが前年比99%超低下したと報告している。ARK Investment Management LLC. 2026. “Big Ideas.” 参照。DeepSWEスコア20%の水準では、モデル上のコストは2月17日時点のSonnet 4.6の3.0677米ドルから、7月30日時点のGPT-5.6 Lunaの0.05888米ドルへ低下している。これは163日間で52.1倍、すなわち98.1%の低下に相当する。2月時点の数値は過去データからの外挿値であり、Lunaの数値は7月30日時点の価格を反映した観測値の補間結果である。年率換算すると、これは約7,032倍、すなわち99.986%の低下となる。また、中心シナリオでは1年後のコストは1タスク当たり0.00002526米ドルとなり、現在の水準より2,331倍低く、99.957%の低下となる見込みである。これらはモデルに基づく短期的な推計値であり、信頼区間を示すものではない。
[15] 2026年1月時点のバックキャストでは、DeepSWEスコア50%は、モデル化されたどのタスクコストでも達成できなかった。現在の中心的な最先端モデルでは、50%のスコアを達成するコストは1タスク当たり約0.1476米ドルであり、本文では0.15米ドルに丸めて表示している。モデル上の最高到達性能は、1月時点の42.4%から現在は74.9%へ上昇しており、その結果、推定エラー率は57.6%から25.1%へ低下している。210日間を年率換算すると、エラー率は4.24倍の改善となる。また、1年後の中心シナリオでは到達性能は97.16%となり、エラー率はさらに8.83倍改善すると推定される。1タスク当たり1米ドルのコストを前提とした場合、成功率は3月時点の7.6%から現在は69.6%へ上昇しており、1年後には97.0%に達するとモデルは予測している。
[16] OpenAIは2024年9月12日にo1-previewをリリースした。OpenAI. 2024 “Introducing OpenAI o1-preview.”参照。DeepSWEスコア約30%の領域では、性能を1ポイント向上させるために必要な支出割合は、2026年1月時点の4.539%から現在は3.028%へ低下している。これは年率換算で2.02倍の改善である。また、1年後の中心シナリオでは1.499%となり、こちらも2.02倍の改善に相当する。直接的な推論量調整機能(effort controls)が導入される以前は、ユーザーは複数回の実行や結果の統合・選別によって追加計算を近似的に行なうことはできたものの、現在ほど直接的な方法ではなかった。
[17] DeepSWEスコア5%から70%の範囲全体でみると、現在の中心的な最先端モデル群と1年後の中心シナリオとの間の幾何平均ベースのコスト低下率は3,185倍となる。これは99.9686%のコスト低下に相当する。この結果は、同ベンチマークで一般的にサポートされているスコア範囲に対して計算されたモデル出力であり、信頼区間ではない。
[18] 企業が公表した直近の指標によると、OpenAIの年間換算売上高は2026年2月時点で250億米ドルを超えており、Anthropicは2026年5月時点で年間売上ランレートが470億米ドルを超えたとしている。Reuters. 2026. “OpenAI tops $25 billion in annualized revenue, The Information reports.” 参照。あわせて参照: Anthropic. 2026. “Anthropic raises $65B in Series H funding at $965B post-money valuation.”また、Axiosが2026年7月に引用した推計では、両社の合計売上ランレートは約1,200億米ドルに達している。ただし、この数値は企業による開示ではなく推計値である。Berkowitz, B. 2026. “Anthropic blows past Starbucks, McDonald‘s amid AI boom. Axios.参照ARK Big Ideas 2026の37ページでは、シナリオに応じて2030年の世界のソフトウェア支出が3.4兆米ドルから13兆米ドルに達すると予測しており、本稿の「数兆米ドル規模」という見通しの背景となっている。ただし、これは最先端AIモデル提供企業のみを対象とした予測ではない。ARK Investment Management LLC. 2026. “Big Ideas.”参照。
[19] 最後の段落は、前述のコスト、性能および収益に関する証拠を踏まえた投資上の解釈である。これはいかなる有価証券の購入または売却を推奨するものではない。また、予測には本質的な不確実性が伴う。
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