Dominos、FedEx、Kroger、Walmart、Alibaba、JD.com、美団(メイトゥアン)、今やこれらの企業はみなローリングロボットを使用しています。[1] ARKは以前、歩道通行型ロボットによる出前の配達コストは1マイル当たり6米セントまでに低下する可能性があると試算していました。人間による配達コストの20分の1です。地方自治体の規制により歩道通行型ロボットシステムの展開が遅くなる可能性がありますが、他の車両に混ざって車道を走行することができる若干大きなロボットによって、その遅れをカバーすることが期待されます。ARKの最新のリサーチによると、Nuro社製と同様の車道走行型のロボットは、1回当たり40米セント未満で食料品を配達できる可能性があり、これは個人で食料品店まで買い出しに行く場合のコストと比べても6分の1となります(下図参照)。
上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
出所:内国歳入局から入手したデータをもとにARK Investment Management LLCが作成
仮に米国の全世帯が食料品にロボット配達を利用する場合、1世帯が食料雑貨類の買い出しに行く頻度は現在平均で週1.6回であることから、その市場機会は40億米ドルにのぼることになります。[2] さらに、そのコストと利便性により、利用客は食料雑貨類の注文をより少量、より高い頻度で行なうようになるかもしれません。例えば、もし利用客が生鮮食料品の注文を週5回行なう場合、ARKの試算では、食料品のロボット配送の市場規模は年間120億米ドルに拡大する可能性があります。これを、自家用車による輸送コストや、買い出しに伴う「無償労働」を考慮に入れた、米国の全世帯による食料雑貨類の配達コストである約700億米ドルと比較すると下図のようになります。
上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
出所:内国歳入庁、Nuro、The Food Industry Association、AAA、労働統計局から入手したデータをもとに
ARK Investment Management LLCが作成
ARKは、食料雑貨類のロボット配送が、賃金が支払われていなかった約400億米ドルの無償労働を商業化し、これまで価値を評価されていなかった経済活動を有償のサービスへと転換させることになると考えています。また、電動ロボットがますますガソリン車に取って代るようになるにつれ、約60億米ドルのガソリン需要が消え、道路を走行する自動車400万台分に相当する約1,800万メートルトンの二酸化炭素排出量が削減されるとみられます。[3]
ARKでは、ロボット配送の用途は食料雑貨類の枠を超えて広がっていくと考えています。例えばDominosの場合、ロボットでピザを配達する場合には5億米ドルの機会を生み出すことになります。[4] また、地上ロボット配送ネットワークは、配送用ドローンと並行して稼働が可能であり、食料品やテイクアウト・フード、その他の家庭の日用品を受け取る安価で便利な手段を提供することで、消費者行動を一変させる可能性があります。おそらく住宅の設計も変わってくるでしょう。仮に利用客が生鮮食料品をより頻繁に注文するようになれば、おそらく冷蔵庫は小型化していき、食料品などを貯蔵するパントリーも他の用途に再利用されることになるでしょう。おそらく、こうした変化が家庭へと浸透していくには時間がかかるとみられるものの、ARKでは、ラストマイル配送コストの大幅低下や、消費者による食料品購入・保存・消費方法の変革に伴う総市場規模は、米国だけでも約300億米ドルにのぼると推定しています。[5]