By Catherine D. Wood

Summary 主な内容

  • エキサイティングな週だった。

  • 多くの恐怖や疑いが市場に蔓延しているが、我々は独自のリサーチと5年の時間軸で投資する。我々のポートフォリオに入る最低の条件は年平均成長率15%だが、過去数週間での株価下落によって予測成長率は大幅に上昇した。

  • 一例としては、EVはグローバルで向こう5年で80%以上の年率成長を予測する。ほとんどの人は信じないが…。伝統的な自動車の時代は終わったと考えており、より優れた安いEVがシェアを握ると考えている。自動車のアナリストは基本的にはバリュー投資の考え方。

  • 我々は(コストは累積生産量に対して指数関数的に減少するという)「ライトの法則」に基づき技術の拡大を予測する。

 

 

 

  • 我々のファンドに関するオプション取引が活発にされていると聞いた。機関投資家とリテールでは全く投資に対する見方が異なる。Teslaなどはその最たる例。我々は調査を公開し続けてきたが、常に機関投資家からは懐疑の目が向けられ続けていた。

  • ITバブル、リーマン・ショックを経て、ボラティリティに対する恐怖が広がっている。強気市場の中でのボラティリティは悪いものではない。ただ、機関投資家はボラティリティを恐れるあまり、ベンチマークに対して非常に敏感になってしまっている。彼らは、TeslaがS&P500に入ったから仕方なく購入しはじめた。

  • 一般的な機関投資家の自動車アナリストは指数関数的なイノベーションの成長に目を向けていない。伝統的なベンチマークを重視する後ろ向きな投資と、ARKのような将来を見据えた投資の綱引きである。

  • 機関投資家は短期的な見方をすることが多いが、ベンチマーク運用だから仕方がないこと。リテール投資家は短期的な指標で評価されて職を失うことを心配する必要は無いし、我々も同じ。これは機関投資家に対
    する大きな優位性。

  • リニア(直線的)な成長と指数関数的な成長では数年経過した際に大きな違いがある。また、機関投資家は伝統的な産業ごとに調査組織を組み立てているが、我々はテクノロジーのバックグラウンドを持つ技術畑のアナリストをイノベーションごとに配置。イノベーションと同じスピードで投資することは重要。破壊的イノベーションは混じり合う。サイロ化した(縦割りの)調査では捉えることはできない。

  • 過去数週間は我々の投資対象企業の株価が大きく下がったことによって、5年後の期待リターンが上がった。株価の変動によって未来は変わらない。むしろ、市場が不安定な局面こそ、より安く優れた技術がシェアを伸ばす時。

  • 我々はバブルだとは考えていない。今後の5年間で起こる変化の種は20年前のITバブルの際にまかれた。当時は技術が世界を変えることを皆が夢見ていた。それは正しい見通しだったが、実現するのはこれから。多くの人々が心配すべきなのはARKの戦略ではなく、破壊的イノベーションによって生み出される破壊。S&P500の半数の企業がこの破壊から逃れることはできないだろう。

  • パウエルは今後も金利を低く据え置くと発言。金利が1%から1.5%に上昇したことで恐怖が広がったが、我々は金利上昇は実体経済の成長を反映した動きであると考える。一時的にCPI(物価上昇率)も高い数値が出ると予測する。これまで株主還元のために資金調達をして自社株買いを行なっていた企業などは、今後手痛い打撃を受けるだろう。イノベーションがもたらすデフレ圧力は、消費者に便益をもたらす良いデフレと、前述のような企業に襲いかかる悪いデフレの両方がある。

  • 市場は景気刺激策に注目しているが、大規模な財政支出は最終的には増税を招くだろう。良いニュースではない。来年あたり議論になるのではないか。

  • 株式市場では大きなローテーションが起こっている。昨年第4四半期あたりから起こっているが、バリュー株へのローテーション。株式市場はアルゴリズム取引が跋扈している。コロナ・ショックの時にも実感したが、当時はキャッシュをあまり持っていない企業などがターゲットにされた。今はPBRや配当などをパラメーターとして取引しているのかもしれないが、バリュートラップ(いつまでも割安に放置される状態)に陥りうる投資手法だと思う。将来に十分投資してこなかったバリュー企業は、イノベーションによって厳しい時代を過ごすだろう。優秀なバリューマネジャーなら避けられるかもしれないが。

  • 小売について、もう十分ECが普及したからこれ以上悪くはならないと言っている人がいるが、間違い。今は20%程度の普及率だが、過去4年分の成長が1年で実現された。技術普及のSカーブでは、それぞれのサービスごとに閾(しきい)値を超えるとその後成長が加速する。

  • エネルギーも金融も大きく株価を上げた。強気相場は物色が広がらなければいけないので、ローテーションが起こっていることは健全であり、調整も必要なもの。とはいえ、いずれの産業も長期的にはEVやデジタルウォレットによって破壊される分野だ。

  •  他のアルゴリズムはバリュエーションが高い銘柄を売って、低い銘柄を買うというもの。Momo Tradeと呼ばれる価格モメンタムに従う戦略などもみられる。

  • MMFの資金にも注目している。2008-09年の頃よりも高い水準。長期債券に投資するようなファンドもキャッシュを持っている。マーケットには待機資金が潤沢にある。

 

 

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