By ARK Invest

本レポートは、2022131ARK社のHPに公開された、英語による「Newsletters_#303」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. Meta社、世界最大のAIスパコン構築を目指す

先週、Meta社は、6,000を超えるNvidia A100データセンター用グラフィック処理ユニット(GPU)を搭載し、人工知能(AI)クラスタの性能を20倍に高める新しいスーパーコンピュータ、AI Research SuperClusterRSC)の詳細を発表しました。ちなみに、RSCのフェーズ1の展開は、Tesla社内のNvidiaスーパーコンピュータに匹敵する規模です。フェーズ2では16,000GPUを使用し、Meta社は世界最大のスパコンの構築を目指します。

プライバシーに焦点を当てつつ、Meta社の研究者たちは追加されたコンピューティング能力を活用してトレーニングモデルを改善し、プラットフォーム上の有害コンテンツの識別やリアルタイムの映像翻訳、高度なロボティクスなどを可能にする予定です。これらの有意義な進歩を成し遂げるために、Meta社は、GPT-31,750億よりも一桁多い、数兆個のパラメータでモデルをトレーニングすることを計画しています。

 

2. SECの暗号規則案、ブロックチェーン検索エンジンへの適用により、米国の金融イノベーションが阻害される可能性

先週、米国証券取引委員会は、20209月に最初に提案された取引所法におけるレギュレーションATS(「代替取引システム」)の改正案を提出しました。ガブリエル・シャピロ氏が取り上げたこの提案は、「証券取引所」の定義を拡大し、暗号分散型金融(DeFi)プラットフォームと自動マーケットメイキング(AMM)プロトコルを含み、両方をSECの監視対象にするものです。パブリックコメントの受付期間は30日間です。

証券取引所の定義案は「通信プロトコル」にもおよび、Etherscanのようなブロックチェーン検索エンジンも含まれる可能性があります。そうなれば、SECは公開ブロックチェーンシステムのオープンソースデータを監視・規制する可能性があります。確かではありませんが、SECは、実際の買い手と売り手の間で証券を競売にかける市場から、潜在的な買い手と売り手の取引利益を伝達するプロトコルへの規制監督の拡大を提案している可能性があります。

ブロックチェーン検索エンジンに適用された場合、この改正は米国の金融サービスセクターのイノベーションを妨げ、起業家や企業が海外に事業を移行する動機となる可能性があると私たちは考えています。また、この改正の合憲性にも疑問があります。買い手と売り手の利害に関する公開情報の交換を可能にする通信プロトコルをSECが監視することは、憲法修正第1条に違反するのではないしょうか?

 

3. OpenAIの新しいInstructGPT言語モデルが、AIのパフォーマンスを大幅に向上させる可能性

大規模な計算モデルを使用すれば、AIシステムは非常に高い精度で言語を生成することができますが、その一方で、与えられたプロンプトに対応できないテキストを生成したり、偏った、あるいは不正確なテキストを生成することがあります。こうした欠点に対処するため、OpenAIは新しい言語モデルInstructGPTを開発しました。このモデルは、「人間のフィードバックからの強化学習」(RLHF)を用いて、モデルの出力の有用性と安全性を向上させるものです。RLHFでは、人間のラベラーがモデルに望ましい動作やスコアリング出力の例を「コーチ」し、より良い結果が得られるように繰り返し修正・指導を行ないます。

OpenAIによると、InstructGPTは、出力の毒性を測定するRealToxicityや、虚偽の有無を測定するTruthfulQAなど、さまざまなテストで前身の言語モードであるGPT-3を超える性能を示しています。InstructGPTは現在、OpenAI APIのデフォルト言語モデルとして採用されています。

 

4. 大規模な成長に向かっている自動運転タクシーネットワーク

先週、ARKBig Ideas 2022を発表し、自動運転タクシーネットワークが2030年までに世界のGDP26兆米ドル増加させ、歴史上最もインパクトのあるイノベーションとなる可能性があることを強調しました。以前、ARKは、車両の稼働率を上げることで、自動運転タクシーネットワーク事業者が大規模に運営する場合、1マイルあたり0.25米ドルという低価格で輸送サービスを提供できると試算しています。ARKの自動運転タクシーネットワークに関する最近の調査では、進化する可能性のある価格帯を分析し、現在は上限で1マイルあたり4米ドル、下限で1マイルあたり0.25米ドルと推定しています。この結果、自動運転タクシーネットワークに対応可能な市場規模は11兆米ドルと推定されます。

ARKは、これらの価格帯が2030年までに世界の*ライドヘイル消費を爆発的に増加させると予想しています。私たちのリサーチは、先週木曜日のTesla社の決算説明会でイーロン・マスク氏が示唆した、将来のライドヘイルのコストは1マイルあたりわずか0.20米ドル程度になり、自律走行機能は「歴史上最も重大なソフトウェアのアップグレード」になる可能性があるという意見と合致しています。

*ライドへイル=乗客がタクシーや自家用車をスマートフォンのアプリなどで事前に予約できる配車サービスのこと。

 

 

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ARK’s statements are not an endorsement of any company or a recommendation to buy, sell or hold any security. For a list of all purchases and sales made by ARK for client accounts during the past year that could be considered by the SEC as recommendations, click here. It should not be assumed that recommendations made in the future will be profitable or will equal the performance of the securities in this list. For full disclosures, click here.

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