本レポートは、2022年11月7日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #341」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
1. 電気自動車（EV）の価格下落が続くならば、ARKのEV予測は保守的すぎるかもしれない
By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics
金曜日のブレインストーミングで、ARKは、すでに高いレベルにあるEVの予測が低すぎる可能性について議論しました。次に示す図は作業中のものになりますが、このトピックに関するいくつかの視点を提供するものです。紫色の線は、ガソリン車、電気自動車を問わず、需要の価格弾力性を表しています。価格が下がれば、自動車メーカーは市場のより大きなシェアを狙うことができます。また、ネイビーラインを見ると、過去10年間の平均価格の下落に伴い、世界の自動車市場におけるEVのシェアが高まっていることがわかります。
ライトの法則とARKの採用モデルによると、航続距離300マイルのEVの製造コストが下がり続けると、2027年には緑の線で示すように、その市場シェアは67％、つまり4,800万台に近づくとされています。この予測には、自動運転車による車両販売台数の減少が織り込まれています。しかし、ライトの法則が示唆する緑色の軌跡と、紫色のシェア拡大の歴史とのギャップは、EVがARKの予測よりもはるかに高いシェアを獲得する可能性があることを示唆しています。つまり、EVの販売台数は4,800万台ではなく、今年の800万～900万台から2027年には約6,700万台と8倍の規模になるかもしれないのです。
とはいえ、6,700万台という予測はいくつかの要因で頓挫する可能性もあります。材料不足や技術的な問題から、EVの生産規模はそれほど急には拡大しないかもしれないからです。また、中古車価格の大幅な下落が予想以上に競争上の脅威となる可能性もあります。
今後、モデルや予測の最終的な完成度を高めていきますので、ご期待ください。
2. Bitcoin：ベースが長ければ長いほど、ブレイクアウト（またはブレイクダウン）はより強力に
By David Puell | @dpuellARK
Research Associate
この記事は、Yassine Elmandjraと共同で執筆しました。
今月のThe Bitcoin Monthly（ARK発行の月次報告書）では、ビットコインが展開している強固な基盤にスポットを当てています。次の図に示すとおり、他の資産価格が安値を更新する中、ビットコインは3ヵ月連続で投資家コストベース（18,814米ドル）のサポートと200週移動平均（23,460米ドル）のレジスタンスの間で取引されています。
以下に示すとおり、弱気市場の安値やその付近で典型的に見られるように、保有者は降参したような印象を受けます。長期保有者のポジションは、以前の市場の最安値に比例した損失で取引されています。言い換えれば、おそらく最も高い信念を持つホルダーが損失に直面しているのです。
現在のリスクオフ環境では、以下に示すように、ビットコインは知名度の高いいくつかの大型株よりも良い結果を残しています。史上最高値からの下落幅は、META（メタ）とNFLX（ネットフリックス）がBTC（ビットコイン）を上回っています。
さらに、マクロの不確実性とUSD（米ドル）高のこの時期に、ビットコインのボラティリティは株式と主要通貨ペアの両方と比較して、以下に示すように低下しています。2016年10月以来初めて、ビットコインの30日間の実現ボラティリティはGBP（英ポンド）およびEUR（ユーロ）とほぼ同等となりました。2016年10月から数ヵ月後、ビットコインは20倍の最大20,000米ドルまでの上昇を開始しました。
最近の値動きを見ると、ビットコインがリスクオン資産への回帰の動きをリードするのではないかと思われます。
詳しくは、こちらのThe Bitcoin Monthlyをご覧ください。
3. In The Know With Cathie Wood（キャシー・ウッドのマーケットとストラテジー）: De-FAANG'd
By Cathie Wood | @CathieDWood
Founder, CEO, & CIO
今月のIn The Know With Cathie Wood（キャシー・ウッドのマーケットとストラテジー）では、ARK CEO/CIOのキャッシー・ウッドが、中間選挙の影響、70年代と現在の経済状況、金利、真の破壊的イノベーションと破壊されるイノベーションを分けるものは何かについて見解を述べています。また、財政政策、金融政策、各種市況、経済指標、イノベーションについても解説しています。ぜひこちらのエピソードをご覧ください。この月例シリーズがお役に立てれば幸いです。
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