By ARK Invest

本レポートは、2023327ARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #359」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. OpenAIプラグイン使用でChatGPTがアプリプラットフォームに変身

By Brett Winton | @wintonARK
Chief Futurist

 

先週、GPT4のリリースに続いて、OpenAI社はChatGPTの拡張機能を発表し、チャットボットが外部のデータやサービスとやり取りできるようにしました。プラグインを使うことにより、ChatGPTはウェブ上でリアルタイムの情報を検索したり、DoorDashで出前を注文したり、Kayakでフライトやホテル、レンタカーを予約したりできるようになりました。つまり、プラグインによってChatGPTiPhoneに対抗できるアプリプラットフォームへと変身したのです。

このイノベーションは、ChatGPTの経済的可能性を拡大し、Google検索とApple社のApp Store独占の両方にとって競争上の脅威となると、私たちは考えています。Google社の収益は、消費者や企業が検索し、ウェブサイトからウェブサイトへ移動することに依存しています。しかし、ChatGPTは、プラグインによって、そのプロセスを逆転させます。消費者と企業は、オプションを発見して提示する ChatGPT を使い続けることになるからです。言うなれば1つのリソースが、価格比較、ディナーの予約、完璧なビーチコンドミニアムの検索など、バケーションプランのニュアンスに自然言語で対応できるのにも関わらず、サイトからサイトへ移動する必要はあるでしょうか。

これは休暇を過ごす消費者にとっては良いことですが、Googleの検索トラフィックにとってはあまり良いことではありません。次の図で示すように、ChatGPTBingとの比較において、Googleはすでにトラフィックシェアを失いつつあります。プラグインによって、この傾向は加速しないまでも、続くと思われます。

 

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そしてChatGPTは、Apple社のApp Storeも脅かす存在となるかもしれません。汎用インターフェイスがオープンウェブ上で回答を提供できるのに、誰が特別な目的の専用アプリを必要とするのでしょうか。これは言い換えれば、言語モデルがオペレーティングシステムとなり、Apple社の1530%のプラットフォーム税を回避する方法を企業に提供することになるのです。

私たちの見解では、ハイテク企業の重心は劇的に変化しています。言語モデルの性能は指数関数的に向上しており、消費者向けのメガキャップのハイテク企業は足元をすくわれているようです。次の図で示す通り、積極的な投資とコストの削減が年平均で約3倍になると仮定すると、今後3年間で人工知能(AI1 システムの能力が200倍になることが予想されます。この進歩は、2007年の発売以来、16年間にわたるiPhoneの性能向上に匹敵するものです。

 

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[1] AI能力」とは、AIシステムのトレーニングに投資された資本のうち、コストの低下による投資額1米ドルあたりの AIパフォーマンスの向上に合わせて調整された予想総投資額と定義しています。

 

 

2. Cash Appに熱風を吹き付けているHindenburg Research

By Maximilian Friedrich | @mfriedrichARK
Co-Lead, ARK Venture & Analyst

 

先週、空売り投資家のHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)社は、Block SQ)社に関する調査レポートを発表しました。これは、Block社のデジタルウォレットであるCash Appがユーザー数を膨らませており、規制当局が測定ルールを変更したため、多額の収益を失う可能性があると主張したものです。木曜日に同社株が15%下落したことを受け、当社や投資家コミュニティは、この信頼できるデータポイントがほとんど含まれていない、非常に誤解を招く主張に対してBlock社を擁護しました。

しかし、Hindenburg社は、その疑わしい主張を例示するために、パンデミック失業支援(PUA)詐欺事件を引用し、起訴状のスクリーンショットを切り抜いて提供し、「言及された唯一のピアツーピア電子決済プロセッサはCash Appであった。」と述べています。この事件に関してHindenburg社が報じなかったのは、犯人のラッパーが、Bank of Americaが発行した電子給付送金(EBT)デビットカードを使って120万米ドル以上に不正にアクセスし、フィンテック・アプリではなく従来の銀行システム(ATM、銀行支店、デビットカード)で大部分を現金化したことでした。実際、そのラッパーがCash Appを含む送金/資金移動サービスを利用して不正資金にアクセスしたのは、85,130米ドルだけでした。ATMから375,177米ドル、銀行支店から39,180米ドル、Bank of Americaなどの従来型の銀行が発行するデビットカードから205,273米ドル引き出したのに比べてもごくわずかです。

しかし、こうしてHindenburg社の主張に根拠がないことが証明されたとしても、彼らがBlock社やより広範なフィンテック・エコシステムにどのような影響を与えるかが気になるところです。規制当局は、VenmoZellePayPal、およびCash Appにおけるピアツーピア決済の詐欺対策に注力しており、こうした取り組みを強化し、PayPalBlockのような企業に、アクティブアカウントではなくユニークユーザーの報告を強制するようになるかもしれません。とはいえ、暗号通貨への注目も含め、現在の銀行危機を考えると、本格的な規制介入はあり得ないと考えられます。

 

 

3. SECCoinbase2度目のウェルズ通知を発行

By Frank Downing | @downingARK
Director of Research, Next Generation Internet

 

先週、Coinbaseは証券取引委員会(SEC)から、Wells Notice(ウェルズ通知)を受け取りました。多くの場合、これは強制捜査の可能性が高いことを示しています。これに対し、Coinbaseはこのウェルズ通知が同社のリテール、および機関投資家向け取引市場、ステーキングサービス、セルフ・カストディ・ウォレット(Coinbase Wallet)に関連している可能性があることを示唆しました。Coinbaseは昨年、Lendの立ち上げ準備中に最初のウェルズ通知を受け取りましたが、今回のウェルズ通知は範囲がはるかに広く、証券法に違反しているとされる製品についての具体的な説明がほとんどない、異例なほど曖昧なものでした。Coinbaseは、SECの執行勧告に異議を申し立てる準備が出来ていることを示唆しており、今後数年の間にこの問題を最高裁までエスカレートさせることもいとわないつもりであるようです。GrayscaleBinance.usRippleなどの事例は、米国の法制度が暗号通貨企業の適正手続き権を保護し、SECに疑惑の立証を要求し、上手く行けば規制の明確化につながることを示唆しています。

Coinbaseは、規制当局とともに上場基準を見直し、否定的なフィードバックを受けなかったため、トークン申請者の90%を取引所からブロックしたと主張しています。実際、2021年に上場企業としてデビューする前に、多くのトークンを自社の取引所に上場させていました。しかも、上場前に必要なSECに提出したS-1の中で、Coinbaseは、現在SECが問題視しているようなステーキングサービスに57回も言及しています。

私たちの見解では、Coinbaseは、暗号資産業界にとって法的な明確化をもたらすべきである説得力のある事例を有しています。重要なのは、同社のイーサリアム・スケーリング・ソリューションであるBaseや、USDCCoinbase Walletなどの製品を含む分散型パブリックブロックチェーンインフラと直接統合することにより、Coinbaseがグローバルに規模を拡大し、米国の規制当局への依存度が低くなることです。

 

 

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