By ARK Invest
本レポートは、2023年10月2日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #386」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。
1. ARK Invest Europeへようこそ!
By Cathie Wood | @CathieDWood
Founder, Chief Executive Officer, & Chief Investment Officer
今週、大変嬉しいことにARK Invest Europeを初めて私たちのブレインストーミングにお迎えしました。9月下旬にARK Invest LLCは、ロンドンを拠点とし、持続可能性を促進するイノベーションを含む世界のメガトレンドに焦点を当てたテーマ別資産運用・販売会社であるRize(ライズ) ETF Limited社を買収しました。
現在、英国と欧州の規制当局がアクティブ株式ETFを承認しており、また今回の買収以前から当社の加入者ベースの約25%は欧州にあったことから、ARKは規制当局の承認が下りるまで、UCITS ETFの形で当社の米国ベースの戦略に対する需要を満たしたいと考えています。また、私たちはRize(現在のARK Invest Europe)ETFの欧州およびその他の世界各地での販売を加速させることも目指しています。
欧州市場における重要な競争上の優位性は、Rize社のシステマティックな連動型ETFの50%以上が、持続可能な金融情報開示規則(SFDR)の第9条[1]の要件を満たしていることです。第9条に指定されている欧州の全ファンドのうち、これに匹敵する割合は約3.7%です[2]。
しかし最も重要なのは、私たちが共有する文化とDNA、つまり、ベンチマークにとらわれず、世界を良い方向に変えていく破壊的イノベーションの力に焦点を当てることです。
2. Meta AIはモバイルコンピューティングに体制変化をもたらしているか
By Nick Grous | @GrousARK
Associate Portfolio Manager
先週のMeta Connect[3]において、Meta社は、その人工知能(AI)の実力を、同社のアプリやデバイスのファミリー全体でユーザーエクスペリエンスを向上させる新製品や新機能によって実証しました。AI関連の新製品[4]には、EMU[5]画像生成ツール、開発者コーディング用のMeta AI Studio、28人の有名人が支援するAIチャットボット、AIステッカー、Meta AIが含まれていました。
特に興味深いのは、Ray-Ban(レイバン)社のスマートグラス[6]にメタAIが搭載され、装着した人が見聞きしていることについての質問にAIアシスタントが答えることができるようになるということです。今週のブレインストーミングでは、スマートグラスにAIが統合されることで、マルチタッチフォンに代わる魅力的なものが生まれ、デジタル世界をナビゲートする方法が変わるのかどうかについて議論しました。
また、大規模な言語モデルを備えたAIアシスタントが、音声をデジタル体験の主要メディアに変えるかどうかについても議論しました。SiriとAlexaがついにその約束を果たす日が来るのでしょうか。もしそうなら、Meta社はハンズフリー・モバイルコンピューティングに対する説得力のある事例を作り上げたことになります。
3. ChatGPTが音声とビジュアル入力でマルチモーダル化
By Jozef Soja | @JozefARK
Research Associate
先週、OpenAI社はChatGPT Plusの新しい音声と画像機能を発表[7]しましたが、それは、企業ユーザーが音声コマンドで質問すると、ChatGPTの新しい人間味のある複数の音声のひとつから応答を受け取ることができるようになったというものです。AIモデルと人間が自然に会話するようになれば、モデルは教育者、仲間、語り手、さらにはセラピスト[8]にまでシームレスに進化する可能性があります。
また、ユーザーの写真やスクリーンショットのような視覚的な入力を分析し、それに基づいて行動するChatGPTの新しい能力も重要です。X(旧Twitter)のユーザーは、すでにこの機能を活用しています[9]。あるユーザーは、ChatGPTにUIデザインのスケッチだけに基づいてウェブアプリのコードを生成させることに成功し、また別のユーザーは、学生の教科書にあるヒト細胞の図にラベルを付けて説明することに成功しました。私たちは、これらのマルチモーダルなツールが、日常生活におけるAIの利用を飛躍的に拡大する可能性を秘めているとみています。
[1]サステナブル・ファイナンス・ディスクロージャー規制(SFDR)は、金融業界の透明性と持続可能性の促進を目的とした欧州連合(EU)の規制。金融市場参加者(商品発行者を含む)に対し、環境・社会・ガバナンス(ESG)要素を投資判断やリスク管理プロセスにどのように組み込んでいるかを開示することを義務付けている。第6条、第8条、および第9条のファンドは、SFDRのもと、持続可能性へのコミットメントのレベルが異なることをを示す、自己割り当ての開示分類である。第6条ファンドは特定の持続可能性目標を持たず、第8条ファンドは環境的または社会的特性を促進し、第9条ファンドは明確な持続可能性投資目標(すなわち、関連する商品発行者が定義する環境的目標、社会的目標、またはそれらの組み合わせ)を持つ。
[2] Morningstar. 2023. “SFDR Article 8 and Article 9 Funds: Q2 2023 in Review.”
[3] Meta. 2023b. “Meta Connects. Expanding Reality, today And Tomorrow.”
[4] Ortiz, S. 2023. “Meta Just Entered The AI Chatbot Race—With Three Major Product Announcements.” ZDNet.
[5] Meta. 2023b. “Introducing New AI Experiences Across Our Family of Apps And Devices.”
[6] Pierce, D. 2023. “Meta’s Smart Glasses Can Take Calls, Play music, and Livestream From Your Face.” The Verge.
[7] OpenAI. 2023. “ChatGPT Can Now See, Hear, And Speak.”
[8] @lillianwing. 2023. “Just Had A Quite Emotional.” X.
[9] @Borriss. 2023. “Less Than 31 Hours since OpenAI Started.” X.
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