By ARK Invest

本レポートは、2023年1017にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #388」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. Microsoftは本当にGitHub Copilotで損失を出しているのか?

By Frank Downing | @downingARK
Director of Research, Next Generation Internet

 

喜ばしいことに、最近ではMicrosoft社のGitHub Copilotのおかげで、開発者は2倍の速度でコーディング行なっています[1]が、先週、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、Copilotに毎月10米ドルを支払っているユーザー1人当たり、Microsoft社は平均で毎月20米ドルの損失を出していると主張しました[2]

これに対し、Microsoft社のマリオ・ロドリゲス製品担当副社長は、Copilotは成長しつつあり、また年間1億米ドルの収益を上げており、赤字にはなっていないと宣言しました[3]。2021年10月にローンチされたGitHub Copilotは、もし独立した企業であったなら、SaaS(Software-as-a-Service)史上最速の成長を遂げていたことでしょう。WSJを基にした私たちのリサーチでは、AIのコストが年間70%低下していること[4]、および大規模な言語モデルのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)の価格も継続的に低下していること[5]が明らかになりました。

Microsoft社は11月1日に、ユーザーあたり月額30米ドルでCopilotsをより広範なOffice 365スイートに追加統合する予定です。MicrosoftとGoogleの両社は、ユーザーがAI機能のために高額な月額料金を支払うと考えているようですが、Zoom[6] Replit[7]のような他の企業は、リーチを拡大したいと考えており、AI機能を無料で展開しています。

 

 

2. 汎用化可能なロボティクスの夜明けは近いか?

By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics

 

ロボット工学(ロボティクス)は、洗濯機、食器洗い機、スポット溶接ロボット、ロボット掃除機など、専門化することで進化してきましたが、人工知能、コンピューター・ビジョン、ロボティクスの融合により、汎用ロボット・プラットフォーム(GPRP)への扉が開かれる可能性があります。GPRPを牽引しているのは、人型ロボットを開発している一握りの企業です。

私たちの考えでは、汎用化されたアプリケーションは人間のような形に限定される必要はありません。電卓とコンピューターの進化は参考になります。初期の電卓とコンピューターは似ているように見えましたが、それぞれの設計の軌跡は大きく異なっていました。汎用性のあるコンピューターの方が、はるかに大きなチャンスとなったのです。多くの特殊ロボット企業は時間の経過とともに成功を収めると思われますが、汎用化可能なロボティクスは、市場を席巻するいくつかの「キラー・アプリ」のプラットフォームになる可能性があります。

 

 

3. Neuralinkが幅広い神経疾患患者を救う可能性

By Pierce Jamieson | @PierceARK
Research Associate

 

イーロン・マスク氏が設立した「Neuralink(ニューラリンク)社」は、神経疾患の認知治療と能力の向上を目指して、人間の脳とコンピューターをつなぐブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を開発しています。脳深部刺激(DBS)、皮質脳波、機械学習といった様々なテクノロジーの成果を基に、同社は高解像度で低遅延の脳活動モニタリングを提供します。患者の感覚運動皮質に、これまでは考えられなかった2,000以上もの毛髪のような糸に分散された電極を埋め込むことで、Neuralink社は医療を変革し、人間と人工知能の繋がりを加速する大きな可能性を秘めているのです。

Neuralink社の「N1」モジュールと、その移植に必要な手術用ロボット「R1」により、切断患者たちが自らの意思で義肢をコントロールし、より自然でなだらかな動きができるようになる可能性があります。この技術はまた、脊髄損傷を回避し、切断患者の運動能力と制御能力の回復を助ける装置に脳信号を直接伝達することもできるのです。長期的には、BMIは筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、てんかん、感覚障害、脳卒中による脳損傷、その他多くの疾患を治療できる可能性があります。実際、Neuralink社はすでにALS患者を対象とした臨床試験を開始しています。

ALSと頸髄損傷におけるFDAの承認と、2025年までの緩やかな普及率を想定したとしても、私たちの予備調査では、N1デバイスの年間売上高だけで2030年までに2億2,000万米ドルを超える可能性が示唆されています。

 

 

[1] Kalliamvakou, E. 2022. “Research: quantifying GitHub Copilot’s impact on developer productivity and happiness.”

[2] Dotan, T. 2023. “Big Tech Struggles To Turn AI Hype Into Profits.” The Wall Street Journal.

[3] “AI Engineer Summit 2023 — DAY 2 Livestream – YouTube.”

[4] ARK Investment Management LLC. 2023. “Big Ideas 2023.”

[5] The Cognitive Revolution. 2023. “OpenAI Price Drop: [Another] Megathread.”

[6] Zoom. 2023. “Getting started with Zoom AI Companion features.”

[7] Replit AI Team. 2023. “Announcing Replit AI for All.”

 

 

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