By ARK Invest

本レポートは、2024422ARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #411」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. 半減したビットコインの発行率、ゴールドの長期供給量の伸びを下回る

By Yassine Elmandjra | @yassineARK
Director of Digital Assets

 

先週の金曜日、ビットコインの供給量の伸びは史上4度目の「半減」となり、以下に示すように年率で約1.8%から約0.9%に低下しました。その結果、ビットコインの供給量の伸びは、長期ベースで金の伸び(2023年には約1.7%と推定[1])を下回りました。

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出所:ARK Investment Management LLC, 20242024419日時点のGlassnodeのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券または暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものではありません。また、過去の実績は将来の結果を示すものではありません。

 

ビットコインの数学的に計測された供給量の増加のおかげで、ブロックマイニングの報酬は21万ブロックごとに半減し、これはおよそ4年ごとに行なわれます。最初の半減は201211月に行なわれ、1ブロックあたりの報酬が50ビットコインから25ビットコインに減少しました。そして、金曜日の半減では、以下に示すようにブロックあたりの報酬が6.25ビットコインから3.125ビットコインに減少しました。 

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出所:ARK Investment Management LLC, 20242024419日時点のGlassnodeのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券または暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものではありません。また、過去の実績は将来の結果を示すものではありません。

 

半減はビットコインの設計にとって極めて重要であり、予測可能な金融政策と希少資産としてのビットコインの役割を強調しています。ビットコインは、マイナーの報酬を4年ごとに50%削減することで、あらかじめ決められたスケジュールに従ってビットコインの供給量の増加を抑え、発行済みのビットコインの総数があらかじめ決められた上限である2,100万枚を超えないことを保証しています。これとは対照的に、中央銀行の政策立案者は、政府保証通貨の供給増を任意に調整することができるのです。

以下に示すように、現在、ビットコインの流通量は約1,970万枚です。つまり、上限となる2,100万枚を6.5%下回っているに過ぎません。

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出所:ARK Investment Management LLC, 20242024419日時点のGlassnodeのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券または暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものではありません。また、過去の実績は将来の結果を示すものではありません。

 

15年前の誕生以来、ビットコインの半減は長期にわたる強気相場の中で行なわれて来ました。 過去は序章ではありませんが、以下に示すように、過去 3 回の半減期後の 12ヵ月間で、ビットコインの価格上昇率は約285% から約8,478.2%の範囲であり、平均では約 3,108%でした。

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出所:TradingView.com 本資料は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券や暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものではありません。また過去の実績は将来の結果を示すものではありません。

 

2. バッテリー・リサイクル革新の先頭に立つRedwood Materials

By Sam Korus | @skorusARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics

 

Tesla社の元CTOJ.B.シュトラウベル氏が設立したバッテリー・リサイクル業者であるRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)社は、年間20ギガワット(GWh)のバッテリー・リサイクル稼働率を誇っています[2]。これは約25万台の電気自動車に電力を供給するのに十分な量であり、また4年前の米国業界のバッテリー・リサイクル総量の14倍以上です。

電気自動車(EV)市場が成熟期に求める量と比較すると控えめではありますが、同社は、従来のリサイクル工程と比較して二酸化炭素排出量を4070%削減する方法で、リサイクルの規模を急速に拡大しています。バッテリーの鉱物の95%は回収可能であるため、EVバッテリーが耐用年数を迎えるにつれ、リサイクルが非常に重要になります[3]。したがって、規模が大きくなれば、リサイクルにより材料の採掘の必要性が大幅に削減されるはずです。   

重要なのは、Redwood Materials社のリサイクル構想が、バッテリーのサプライチェーンの中心を中国から米国へとシフトさせる手助けとなる可能性があるということです。同社の進歩に関する詳しい記事[4]をぜひご一読ください。

 

3. Meta、待望のLlama 3を発表

Jozef Soja | @JozefARK
Research Associate

 

先週[5] Meta社は、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)である待望のLlama 3ファミリーの2つのバージョン(80億パラメータの小型バージョンと700億パラメータの高性能バージョン)をリリースしました。同社はまた、まだトレーニング中の主力製品である4,000億パラメータを誇るLlama 3の初期の性能指標も公開しました。 

Meta社は、15兆トークンのトレーニングデータですべてのLlama 3モデルをトレーニングしました。これは、Llama 2をトレーニングした数の7.5倍です。重要なのは、これまでの研究で可能であると考えられていたよりもはるかに長い期間、大量のトレーニングデータを使用しても、パフォーマンスが向上し続けることを同社が発見したことです。

これまでのところ、Llama 3のベンチマークは素晴らしいものでした。700億パラメータのバージョンは、一般知識ベンチマークである大規模マルチタスク言語理解(MMLU)で82.0%、Pythonコーディング・ベンチマークであるHumanEval81.7%を記録しました。一方、リリース日までにさらに改善されるはずの4,000億モデルのスコアは、それぞれ86.1%と84.1%でした[6] 。これらのスコアは、Llama 3が、GPT-4 Turboのようなクローズドモデルの性能に挑戦するのに十分強力な最初のオープンソースモデルであることを示唆しています。GPT-4 Turboは、以下に示すように、それぞれMMLU86.7%HumanEval88.2のスコアを獲得しました[7]

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出所:ARK Investment Management LLC, 20242024419日時点のGlassnodeのデータに基づく。本資料は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスや特定の証券または暗号通貨の購入、売却、保有を推奨するものではありません。また、過去の実績は将来の結果を示すものではありません。

 

 

 

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[1] Estimate based on data from World Gold Council 2024 “Historical Demand and Supply,” and “Above-ground Stock.”  
[2] Randall, T. 2024. “Tesla Co-Founder JB Straubel Built an EV Battery Colossus to Rival China.” Bloomberg.
[3] Randall, T. 2024. “Tesla Co-Founder JB Straubel Built an EV Battery Colossus to Rival China.” Bloomberg.
[4] Randall, T. 2024. “Tesla Co-Founder JB Straubel Built an EV Battery Colossus to Rival China.” Bloomberg.
[5] Meta. 2024. “Introducing Meta Llama 3: The most capable openly available LLM to date.”
[6] Meta. 2024. “Introducing Meta Llama 3: The most capable openly available LLM to date.”
[7] OpenAI. 2024. “Simple Evals.” GitHub.

 

 

 

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