By ARK Invest

本レポートは、2026511日にARK社のHPに公開された、英語による「Newsletter #509」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。また、情報提供のみを目的としたものです。

 

1. Shopifyはエージェント型コマースの“OS”を構築しつつある

By Varshika Prasanna | @varshikaARK
Research Analyst, Fintech

 

先週、Shopify(ショッピファイ)は好調な四半期決算を発表しました。流通総額(GMV)は前年同期比35%増加して1,000億米ドルを突破し、売上高も34%増加しました[1]。投資家は、前年同期比で20%台後半の成長率を見込む慎重な短期ガイダンスに注目しましたが、より重要なのは、Shopifyエージェント型コマースの中心的存在になろうとしている点です。

AIは、商品発見(プロダクトディスカバリー)と起業の双方を変革しており、Shopifyはその両方の恩恵を受けています。商品発見は、従来型検索エンジンから、ChatGPTGeminiClaudeといったAIネイティブなインターフェースへ移行しつつあります。これらは、AI購入エージェントが消費者に代わって取引を行なうエージェント型コマースを可能にしています。Shopifyのプラットフォームは既に初期段階で成果を上げており、AI経由のトラフィックは前年同期比で8倍、AI検索由来の注文数は約13倍へ増加しました[2]

コマースがAIインターフェースへ移行するにつれ、Shopifyの役割はさらに重要になっています。AIエージェントが取引を行なうには、正確な商品カタログ、リアルタイムの在庫情報、決済処理、配送インフラが必要です。数百万の加盟店と数十億の商品を支えるShopifyのインフラレイヤーは、加盟店とAIエージェントを結び付けています。

Shopifyは、自社エコシステムの標準化に向けてGoogleと提携し、「Universal Commerce ProtocolUCP)」を共同開発しました。UCPにより、AIエージェントは商品発見からチェックアウトまで、異なるプラットフォームや決済事業者をまたいでコマース業務を拡張できるようになります。AmazonMetaMicrosoftSalesforceStripe(ストライプ)もこの取り組みに参加しています。Shopifyによれば、商品カタログを活用した検索は、古いウェブスクレイピングデータに依存する一般的なAI検索と比べて、約2倍のコンバージョン率を実現している点も重要です。

決算説明会では、AIチャネル経由の新規顧客による注文成長率が、従来チャネルのほぼ2倍であることも明らかにされました。米国におけるEコマース比率は依然として小売売上高の20%未満であり、エージェント型コマースは、オフラインからオンラインへの購買シフトをさらに加速させる可能性があります。

AIは起業の障壁も引き下げており、この流れもShopifyに恩恵をもたらしています。加盟店向けAIアシスタント「Sidekick(サイドキック)」の利用は拡大しており、週次アクティブ店舗数は前年同期比で約4倍に増加しました。また、直近四半期だけで加盟店は12,000以上のカスタムアプリを作成しています。現在では、Shopify Flowによる自動化のほぼ半分をSidekickが構築しています[3]

さらに、「Shopify Pulse(ショッピファイ・パルス)」によって、Sidekickは単なるアシスタントから、自律的なオペレーターへ進化しつつあります。加盟店データや市場データを活用して機会を特定し、推奨や実行まで行なうようになっています。当社は、AIネイティブなSidekickが、将来的に起業家と共同創業者のような役割を果たすようになると考えています。

これら一連の取り組みは、Shopifyが単なるEコマース店舗構築サービスから、エージェント型コマース時代における“OS”、あるいはインフラレイヤーへ進化し、次世代の起業家を支える存在になりつつあることを示しています。

 

2. GLP-1は、効果的な治療法が医療の枠をはるかに超えて波及し得ることを示している

By Shea Wihlborg | @Shea_ARK
Research Analyst, Multiomics

 

もともと2型糖尿病治療向けに開発された薬剤群が、現在では家計支出や、ファストフードチェーン、アパレル小売など医療以外の業界の業績にまで影響を及ぼしています。GLP-1受容体作動薬は、血糖値を調整し食欲を抑制する腸内ホルモンを模倣する薬剤であり、かつてはニッチな糖尿病治療薬でした。しかし現在では、史上最も急成長している医薬品クラスの1つへ成長しています。当社は、この成長軌道が今後も続く可能性が高いと考えています。

ここ数ヵ月で、製薬大手のNovo Nordisk(ノボ・ノルディスク)とEli Lilly(イーライリリー)は、GLP-1薬の経口剤を発売しました。これにより、初期普及の障壁となっていた注射投与へのハードルが下がりつつあります[4]。両社によれば、経口剤利用開始患者の約80%GLP-1薬の新規利用者であり、経口剤は既存の注射剤ユーザーを奪うのではなく、新たな利用者層を拡大していることが示唆されています[5]LillyNovo Nordiskは当初、糖尿病患者の血糖管理という限定的な臨床目的でこれらの薬剤を開発しました。しかし、その作用メカニズムは複数の生理機能へ影響を及ぼし、その波及効果は広範囲に及んでいます。

GLP-1とは「glucagon-like peptide-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の略称であり、脳へ食欲抑制を促し、膵臓へ血糖調整を促す腸内ホルモンです。米国食品医薬品局(FDA)は当初、2型糖尿病患者の血糖値低下を目的としてGLP-1薬を承認しましたが、その適応範囲は拡大しています。

例えば20216月、FDANovo Nordiskの「Wegovy(ウゴービ)」として販売されるセマグルチドについて、肥満成人、および高血圧や高コレステロールなど少なくとも1つの体重関連疾患を持つ過体重成人に対する慢性的な体重管理用途も承認しました[6]

さらに20243月、FDAWegovyについて新たな適応を承認しました。それは、既存の心血管疾患を持ち、かつ過体重または肥満である成人における、心血管死、心筋梗塞、脳卒中など重大な心血管イベントリスクの低減です[7]。この承認は、糖尿病を持たない約17,600人を対象とした大規模心血管アウトカム試験「SELECT試験」に基づいています。同試験では、Wegovy投与群はプラセボ群と比較して、重大心血管イベントの複合リスクを20%低減しました[8]

当社は、Wegovyの承認はより大きな潮流を示していると考えています。すなわち、長寿関連治療は、特定疾患向けの規制承認経路を通じて市場へ登場し、その後、代謝や血管リスクといった共通の生物学的経路へ作用することで、より広範な臨床価値を生み出す可能性があるということです。GLP-1薬の成功の本質は、この広範な生物学的作用にあります。GLP-1ホルモン自体が、食欲、満腹感、糖代謝、報酬シグナルなど相互に関連するプロセスを調整する身体の統合制御システムの一部だからです[9]GLP-1受容体作動薬はこのシステムへ作用するため、多様な生理機能へ同時に影響を与えることができます。実際、GLP-1薬は血糖値や体重管理にとどまらず、心血管リスク、腎疾患、睡眠時無呼吸症候群、さらには食べ物・アルコール・ニコチンへの渇望に関与する脳内報酬回路へも影響を及ぼしています[10]。つまり、生物学的に相互接続されたシステムに作用することで、単一薬剤が複数の疾患プロセスへ影響を与え得るのです。

こうした影響は、既に消費支出データにも現れ始めています。Cornell University(コーネル大学)の研究によれば、GLP-1薬利用者は、利用開始から6ヵ月以内に、食料品支出を平均約5%、スナック菓子支出を約10%、ファストフード支出を約8%削減しました。一方で、服薬を中止した利用者の多くは、支出パターンが概ね服薬前へ戻りました[11]。また、EY-ParthenonEYパルテノン)の調査では、GLP-1薬利用者の44%が治療開始後に飲酒量が減少したと回答しており、そのうち82%は服薬終了後もアルコール消費量減少が続いたと報告しています[12]。アパレル業界でも影響は企業業績に表れています。米国の大きいサイズ専門紳士服小売企業Destination XL(デスティネーションXL)は、2025年決算において年間売上高が前年同期比約7%減少したと発表しました。経営陣は、顧客基盤の約25%におけるGLP-1薬利用を一因として挙げています[13]

ファストフード業界も、GLP-1薬普及によって大きな変化を受ける可能性がある分野です。同業界は、GLP-1薬が対象とする慢性疾患と密接に関連しているためです。実際、業界には既に大きな圧力がかかっています。先週、Novo NordiskEli LillyGLP-1薬売上高で好調な結果を報告する一方で、レストランチェーンShake Shack(シェイクシャック)の株価は売上高未達を受けて約30%急落しました。またPapa John's(パパ・ジョンズ)も、北米既存店売上高が前年同期比約6%減少したことを受け、株価が約8%下落しました[14]

もちろん、GLP-1薬の影響と食品インフレや価格負担感を完全に切り分けることは困難です。しかし、これら薬剤の対象人口が今後大幅に拡大することは明らかです。Eli Lillyは先月の経口GLP-1薬承認時に、「GLP-1薬の恩恵を受け得る人々のうち、実際に処方を受けているのは10人に1人未満」と説明しました。これは、GLP-1薬の消費関連売上への影響が、普及拡大とともにさらに強まる可能性を示唆しています[15]

この流れは、より長期的かつ構造的な問いを投げかけています。慢性疾患、そしてそれを支えてきた消費行動を前提に成り立ってきた業界は、効果的な治療法が普及するにつれて変革を迫られる可能性があります。承認適応を超えた広範な影響を持つ薬剤は珍しいものの、前例がないわけではありません。例えば1960年に避妊薬として承認されたピルは、その後数十年間にわたり、女性の労働参加率、教育機会、消費行動へ大きな影響を与えました[16]

ARKは、GLP-1薬を例外的存在ではなく、今後ますます頻繁に起こるパターンの初期事例だと考えています。AIとマルチオミクスは相互に強化し合うフライホイールを形成しており、慢性疾患の根底にある生物学的経路への理解を深めています。このフライホイールにより、創薬・医薬品開発は、よりスケーラブルかつ高精度になりつつあります。そして、このフライホイールから新たな治療法が生まれるにつれ、相互接続された生物学的システムへ効果的に作用し、GLP-1薬のように当初想定された適応を超える影響を生み出す薬剤が増えていく可能性があります。

医療は今、慢性疾患の症状管理から、疾患を生み出す生物学そのものの治療へと移行しつつあります。慢性疾患を前提に成立してきた産業、そしてそれを支えてきた消費行動にとって、その影響は複利的に積み上がっていく可能性があります。

 

3. Uberは自動運転向けデータ収集へ動き出す

By Tasha Keeney, CFA | @TashaARK
Director of Research, Autonomous Technology & Robotics / Director of Investment Analysis

 

先週、Uber(ウーバー)の最高技術責任者(CTO)であるプラヴィーン・ネッパリ・ナガ氏は、Uberがドライバー車両へセンサーキットを搭載し、自動運転企業向けの実走行データを収集したい考えを明らかにしました[17]Uberは既に25社の自動運転車(AV)関連パートナーシップを展開しており、さらに新たな「AV cloudAVクラウド)」データプラットフォームも構築しています[18]。今回の発表は、2020年後半のパンデミック期に自社自動運転部門をAurora(オーロラ)へ売却して以降、自動運転分野へ本格回帰する動きとして注目されます[19]

当社は、このUberの戦略修正は合理的だと考えています。ARKの調査によれば、自動運転EVライドヘイルは都市交通の主流になる可能性が高いためです[20]

では、なぜUberはもっと早くこの戦略を採らなかったのでしょうか。注目すべき点として、Uberは現時点で具体的な導入時期やセンサーキット仕様を明示していません。しかし、「データの民主化」を掲げている点は示唆的です。Uberにとって最も望ましいのは、多数のプレイヤーが共存する自動運転エコシステムです。一方、単一企業、あるいは寡占状態となる2社程度が圧倒的規模を獲得した場合、Uberの中核事業が脅かされ、手数料率(take rate)の低下圧力につながる可能性があります。

実走行データは、あらゆる自動運転企業にとって不可欠です。Tesla(テスラ)の完全自動運転(FSD)車両群は、最近累計走行距離100億マイルを突破しました[21]。これはWaymo(ウェイモ)の完全自動運転走行距離約2億マイルを大きく上回っています[22]。しかし、自動運転分野で最大級のデータ収集体制を持つTeslaでさえ、ロボタクシー開発へ活用するため、コーナーケース(例外的状況)を発見する専用テスト車両群を運用しています。Uberが、自社ドライバーネットワークを意味のあるデータ優位性へ転換できるかどうかは、今後の注目点となりそうです。

 

4. Anthropicは演算能力確保へSpaceXと提携

By Frank Downing | @downingARK
Director of Research, AI & Cloud

 

先週、Anthropic(アンソロピック)とSpaceXは、AnthropicGPUGraphics Processing Unit)演算能力を強化するとともに、SpaceXにとってIPO(新規株式公開)前の新たな収益源を創出する提携を締結しました[23]Anthropicは、SpaceXAIのデータセンター「Colossus 1(コロッサス1)」から300メガワット超の演算能力を賃借する予定です。同施設には約22万基のGPUが搭載されています。この追加能力により、Anthropicは各種製品の利用上限(レートリミット)を引き上げることが可能になります。近年、需要急増によって利用制限を余儀なくされていた同社にとって、必要性の高い対応と言えます。

今回の提携は、SpaceXxAI(エックスエーアイ)買収によって取得した地上演算インフラを収益化できることを示しています。一方で同社は将来的に、宇宙ベース演算能力についても「Infrastructure as a ServiceIaaS)」として提供し、収益化する計画です。GPUレンタル価格を基にした概算では、この契約によってSpaceXは年間50億米ドル超の売上高を生み出す可能性があります[24]。さらに、一部ではレンタル料がそれ以上になる可能性も指摘されています[25]。また契約の一環として、Anthropicは将来的に、SpaceXによる複数ギガワット規模の軌道上演算能力にも関心を示しています。

今回の契約は、IPOを控えるSpaceXにとって短期的な収益性向上につながり、xAI投資に対する市場の懐疑的見方を和らげる可能性があります。一方で、希少な演算能力を直接競合へ貸し出すことで、自社の能力制約につながる可能性もあります。もし、Colossus 2(コロッサス2)データセンターで学習中のxAI次世代モデル[26]への需要が強くなった場合、xAIは本来利用可能だったはずの約300メガワット分の演算能力を失うことになるためです。

 

5. BlockAI活用によってプロダクト開発速度を加速

By Varshika Prasanna | @varshikaARK
Research Analyst, Fintech

 

Blockが復調しています。同社は第1四半期決算で好調な結果を示し、Cash App(キャッシュアップ)の粗利益成長率は前年同期比38%へ加速、Squareの粗利益成長率も9%へ加速しました[27]。さらに、通期ガイダンスも引き上げており、同社エコシステム全体で幅広い強さが見られています。

これらの結果は、Blockが進めてきた社内再編が機能していることを示唆しています。同社は過去数年間で組織構造を大きく見直し、事業部単位の縦割り組織から機能別組織へ移行するとともに、人員を約40%削減しました。経営陣は組織階層を簡素化し、管理レイヤーを削減することで意思決定を効率化しました。その結果、プロダクト開発速度(プロダクト・ベロシティ)は大幅に加速しているようです。

その加速の中心にあるのがAIです。

Goose(グース)」は、Block社内業務向けの自動化レイヤーです。従業員は「BuilderBot(ビルダーボット)」という社内向けAI開発インターフェースを通じてGooseを利用できます。BuilderBotにより、社内の誰もがSlack(スラック)を通じてプロダクト機能の構築や修正を行なえるようになっています。20261月以降、エンジニア1人当たりのコード変更数は2.5倍超へ増加しており[28]AI支援型開発によって生産性が向上していることが示されています。

またBlockは、AIを外部向けエコシステムにも組み込んでいます。Cash App利用者向けには「MoneyBot(マネーボット)」、Square加盟店向けには「ManagerBot(マネージャーボット)」を展開しています。MoneyBotは、支出管理、オファー発見、アプリ内アクション実行を支援する金融アシスタントです。一方、ManagerBot“AI共同創業者のように機能し、加盟店による業績分析、機会発見、業務効率化を支援します。20266月に予定されている本格展開を前に、両サービスは既にエンゲージメントを大きく向上させています。MoneyBotCash App全体で、ManagerBot100万超の加盟店基盤全体で利用が拡大しています。

さらに、両サービスは受動的チャットインターフェースから、能動的インテリジェンスレイヤーへ進化しつつあります。単純な質問応答を行なうのではなく、ユーザーが尋ねる前に推奨事項やアクションを提示するようになっています。経営陣によれば、会話の約70%は、こうした能動的プロンプトによって開始されています。また、ManagerBotでインサイト分析セッションを完了した加盟店は、Blockへ再訪する可能性が33%高くなっています。一方、Cash App利用者は、推奨アクションを実行した後、MoneyBotへ再訪する可能性が5倍高くなっています[29]。これらの動きは、BlockAIエージェントが、両エコシステムにおけるエンゲージメント向上と顧客維持強化へ寄与していることを示唆しています。

さらに当社は、AIエージェントがBlockにとって過去最大級の戦略である「Neighborhoods(ネイバーフッズ)」実現への基盤にもなっていると考えています。Neighborhoodsは、Cash Appの月間アクティブユーザー(MAU5,900万人と、数百万のSquare加盟店を地域コミュニティ単位で結び付ける仕組みです。これによりBlockは、ローカル型コマースネットワークへ進化しようとしています。加盟店は近隣顧客へ直接リーチし、フォロワー獲得、商品訴求、ロイヤルティ特典提供などをBlockエコシステム内で行なえます。一方、Cash App利用者は、地域店舗を発見し、特典を利用し、アプリ内でシームレスに決済できます。

経営陣によれば、Neighborhoodsの利用拡大は非線形的に加速しており、既に約10万人のCash App利用者が地域加盟店をフォローしています。これにより、年間換算ベースで総決済額(GPV32,000万米ドル規模へ到達する見込みです[30]BlockAIを活用することで、加盟店と消費者から成る両面エコシステムを、地域密着型の関係性・発見・エンゲージメントを軸とした単一のコマースネットワークへ統合しつつあると言えそうです。

 

6. Genesis AIは「GENE-26.5」でロボット操作技術を前進

By Akaash TK | @akaash_ARK
Research Associate, Autonomous Technology & Robotics

 

先週、Genesis AI(ジェネシスAI)は、ロボット操作向け初の基盤モデル「GENE-26.5」を発表するとともに、人間のような器用さを示す一連のデモを公開し、大きな注目を集めました[31]

出所:Genesis2026[32]。情報提供のみを目的としており、投資助言や特定証券の売買推奨を意図するものではありません。

 

Khosla Ventures(コスラ・ベンチャーズ)が出資する同社は、パリとカリフォルニアを拠点に、汎用的な物理AI”の実現を目指したフルスタック型ロボティクスプラットフォームを開発しています。今回の発表の中心となったのは、人間サイズの5本指を備えた高精度ロボットハンドです。これは、中国のWuji Tech(ウージー・テック)との共同開発によるもので、人間と同等のサイズ感と自由度を持つよう設計されています。

モデル学習のため、Genesisは独自の11データグローブを開発しました。これは産業現場で一般的に使用される安全手袋に似た構造となっており[33]、人間が日常的かつ専門的な作業を行なう際の動作、力加減、触覚データを高精度で取得できます。

GENE-26.5は、このグローブ由来データだけでなく、インターネット規模の動画データや高精度シミュレーションデータも活用して学習されています。

その結果、複雑で長時間に及ぶタスクにおいても、滑らかで協調的な動作を行なえる基盤モデルが実現しました。公開されたデモでは、片手での卵割り、複数工程にわたる調理、研究室向けの高精度ピペッティング、両手によるスムージー作成、ピアノ演奏、さらには空中でのルービックキューブ操作などが披露されました。しかも、いずれも遠隔操作なしで実行されています。

当社は、このフルスタック型アプローチは、物理AI分野における重要なマイルストーンであり、高信頼なロボット操作能力の進化を加速させる可能性があると考えています。Genesis AICEOであるジョウ・シアン氏によれば、同社は現在、全身型ヒューマノイドロボットの開発も進めています。ARKの『Big Ideas 2026』でも触れた通り[34]ロボティクスソフトウェアは、GPU演算密度の向上と既存ハードウェア上でのソフトウェア効率改善に支えられ、今後急速に進化する可能性があります。当社は、このテクノロジーの次なる進化を今後も注視し、共有していきたいと考えています。

 

 

 

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[1] Shopify. 2026. “Shopify Delivers Again as Merchants Clear $100 Billion in Q1 GMV.”

[2] 同上

[3] 同上

[4] Novo Nordisk. 2025. “Wegovy® pill approved in the US as first oral GLP-1 for weight management.” Eli Lilly and Company. 2026. “FDA approves Lilly‘s Foundayo™ (orforglipron), the only GLP-1 pill for weight loss that can be taken any time of day without food or water restrictions.”も参照。

[5] Novo Nordisk. 2026. “Q1 2026 Novo Nordisk A/S Earnings Conference Call.” Eli Lilly and Company. 2026. “Q1 2026 Earnings Call.” も参照。Novo Nordisk. 2026. “Novo Nordisk‘s adjusted operating profit reached DKK 32,858 million in Q1 2026.” Eli Lilly and Company. 2026. “Lilly reports first-quarter 2026 financial results, raises full year guidance, and highlights momentum of new medicines.”も参照。

[6] U.S. Food and Drug Administration. 2021. "FDA Approves New Drug Treatment for Chronic Weight Management, First Since 2014."

[7] U.S. Food and Drug Administration. 2024. "FDA Approves First Treatment to Reduce Risk of Serious Heart Problems Specifically in Adults with Obesity or Overweight."

[8] Lincoff A.M. et al. 2023. "Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Obesity without Diabetes." New England Journal of Medicine.

[9] Drucker D.J. 2006. “The biology of incretin hormones.” Cell Metabolism. Holst J.J. 2007. “The Physiology of Glucagon-like Peptide 1.” Physiological Reviewsも参照。

[10] Lincoff A.M. et al. 2023. “Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Obesity without Diabetes.” New England Journal of Medicine. Perkovic, V. 2024. “Effects of Semaglutide on Chronic Kidney Disease in Patients with Type 2 Diabetes.” も参照。New England Journal of Medicine. Malhotra, A. 2024. “Tirzepatide for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Obesity.” New England Journal of Medicineも参照。Hendershot, C. 2025. “Once-Weekly Semaglutide in Adults With Alcohol Use Disorder: A Randomized Clinical Trial.” JAMA Psychiatryも参照。

[11] Hristakeva, S, et al. 2025. "The No-Hunger Games: How GLP-1 Medication Adoption Is Changing Consumer Food Demand." Journal of Marketing Research.

[12] EY-Parthenon. 2025. "GLP-1 shifts alcohol market dynamics." EY.

[13] Destination XL Group, Inc. 2026. “Destination XL Group, Inc. Reports Fiscal 2025 Fourth Quarter and Full-Year Financial Results.” Destination XL Group, Inc. 2026. “Q4 2025 Destination XL Group, Inc. Earnings Call.”も参照。

[14] CNBC. 2026. “Shake Shack shares drop after earnings report.” Shake Shack Inc. 2026. “Shake Shack Announces First Quarter 2026 Financial Results.” も参照。Papa John‘s International, Inc. 2026. “Papa Johns Announces First Quarter 2026 Financial Results.”も参照。

[15] Eli Lilly and Company. 2026. "FDA approves Lilly's Foundayo™ (orforglipron), the only GLP-1 pill for weight loss that can be taken any time of day without food or water restrictions."

[16] Goldin, C. 2002. "The Power of the Pill: Oral Contraceptives and Women's Career and Marriage Decisions." Journal of Political Economy.

[17] TechCrunch. 2026. “Uber Wants to Turn Its Millions of Drivers into a Sensor Grid for Self-Driving Companies.”

[18] 同上。TechCrunch. 2026. “Exclusive: Uber Launches an ‘AV Labs’ Division to Gather Driving Data for Robotaxi Partners.”も参照。

[19] The Robot Report. 2020. “Uber Sells Self-Driving Unit to Aurora, Ending a Tumultuous Era.”

[20] ARK Investment Management LLC. 2026. “Big Ideas 2026.”

[21] Tesla. 2026. “FSD Safety Page.” Electrek. 2026. “Tesla Reaches 10 Billion FSD Miles.”も参照。

[22] Waymo. 2026. “Safety Impact Hub.” Note: This comparison is not entirely apples to apples, as FSD is a consumer platform and not “driver-out” autonomy.

[23] Anthropic. 2026. “Higher usage limits for Claude and a compute deal with SpaceX.”

[24] Ball, J. 2026. “Some rough math! (All napkin math...)…” X.

[25] Ball, J. 2026. “Responses to this have been interesting, and fall into 2 buckets…” X.

[26] Musk, E. 2026. “We have many great Grok models training simultaneously in Colossus 2…” X.

[27] Block. 2026 “Q1 2026 Shareholder Letter.”

[28] 同上

[29] 同上

[30] 同上

[31] Genesis. 2026. “GENE-26.5: Advancing Robotic Manipulation to Human Level.”

[32] Genesis. 2026. “GENE at work | Autonomous 1x speed.” YouTube.

[33] Heim, A. 2026. “Khosla-backed robotics startup Genesis AI has gone full stack, demo shows.” Tech Crunch.

[34] ARK Investment Management LLC. 2026. “Big Ideas 2026.”

 

 

 

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