新型コロナウイルスの大流行を受け、あらゆる「デジタル」が問題解決のために進化しました。私たちは、パンデミックが衰退しても、ほとんどの分野でデジタル化への加速は続くと見ています。
デジタル広告がその一例です。パンデミックの間、従来の広告が減少する中、デジタル広告はシェアを伸ばしました。2021年末には、世界のデジタル広告はおよそ4400億米ドルにおよび、市場の62％を占めるようになりました。当社の調査によると、以下に示すように、今後8年間は年率平均11％の成長を続け、2029年末までには1兆米ドルを突破する見込みです。
上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
出所：ARK Investment Management LLC, 2021
また、当社の調査は、これまでの予測はデジタル広告の可能性を大幅に過小評価していたことを示唆しています。例えばeMarketerは、2014年に市場が2018年までに2140億米ドルに、次に2015年に2019年までに2790億米ドルに、最後に2016年に2020年までに3350億米ドルに成長すると予測していました。つまり、eMarketerは以下のように、3回とも成長を過小評価していたのです。
出所: ARK Investment Management LLC, 2021; データの出所はeMarketer
eMarketerは、デジタル広告がほとんどのオブザーバーたちの予想よりも成熟していると想定したため、現実の数字は明らかに予測を上回りました。実際、eMarketerの予測は、以下に示すように過去数年間、一貫して大幅に予想の下限から外れています。市場は毎年平均して約3%予測を上回り、新型コロナウイルス問題に直面した昨年は最も印象的な結果を示しました。
出所: ARK Investment Management LLC, 2021; データの出所はeMarketer
特に、新型コロナウイルスの大流行は重要な追い風となったようで、ほとんどの予測はデジタル広告の成長性をまだ過小評価していると私たちは見ています。パンデミックの期間中、デジタルのすべてが加速しました。2019年に1日あたり2.85時間[1]だった自由裁量による平均のオンライン時間は、2020年に大きく跳ね上がりました。Nielsen社の調査によると、パンデミックは成人のメディア消費総量を60％押し上げ、そのほとんどがオンラインでした。この跳ね上がりが恒久的なものになったとしたらどうでしょうか。
オンライン消費率が加速しているとすれば、デジタル広告への支出もそれに追随する可能性があります。この変化は、世界金融危機の際に従来の印刷メディアからデジタルメディアへシフトしたことと類似していると、私たちは考えています。インターネット普及が進んでいるにもかかわらず、広告主は2008年から2009年までオンライン広告への積極的な支出に消極的でした。しかし、金融危機の最中とその後、従来型のメディアが加速度的に衰退するにつれて、広告予算はより効率的なデジタルメディア形式へと移行し始めたのです。今回の世界的な新型コロナウイルスの大流行も同じようなダイナミズムを生み出していると考えられます。
オンラインで費やす時間と広告費の関係を理解するために、オンライン1時間あたりのコストを分析しました。2014年から2019年にかけて、オンラインで過ごした自由裁量時間を広告費で収益化してみると、以下のように1時間あたり0.06米ドルから0.07米ドルの範囲に限定されていました。
上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
出所：ARK Investment Management LLC, 2021
2020年の新型コロナウイルスの大流行中にオンラインで費やした時間は約60％増加しましたが、デジタル広告の伸びは11％にとどまったため、上図のように１時間当たりの広告収益は約0.04米ドルに急落しました。しかし、危機の影響が薄れつつある現在、広告費のオンライン移行は加速し、以下に示すオンライン利用時間の増加に追いつくと確信しています。デジタル広告の増加により、1時間あたりの広告収益は約0.06米ドルにまで戻る可能性があります。
上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
出所：ARK Investment Management LLC, 2021
健全性のチェックとして、名目GDP成長率を年率5％と仮定し、世界のGDPに対する広告の期待値をマッピングしました。下図に示すように、私たちの予測では、GDPに占める広告費の割合は、前例のないような支出が必要なのではなく、代わりに2000年代初頭に最後に見られた水準にまで戻ることが求められます。
上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
出所：ARK Investment Management LLC, 2021
この分析に基づき、デジタル広告は、ショートムービー、拡張現実、バーチャルリアリティなどの新しい広告フォーマットにより、今後も従来の広告からシェアを奪い続け、アドレス可能な総市場を拡大すると考えています。これらのイノベーションは、私たちの想像を絶するものですが、デジタル広告の年率11%の成長を生み出し、その収益を2021年の4400億米ドルから2029年には1兆米ドルにまで押し上げると期待されます。
- この数字は、仕事や学校の時間以外でのデスクトップとモバイルのオンライン利用時間を表しています。
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